マクニカは１２月１９日、 韓国で物流業界向けの３Ｄソフトウエア開発を行うＳｅｏｕｌ Ｒｏｂｏｔｉｃｓ社と連携。自動車の 製造・出荷工程で完成車両のロジスティクス（ 工場内搬送 ）を自動化（ 自動運転化 ）する「インフラ制御型・車両搬送システム：Ｌｅｖｅｌ５ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｔｏｗｅｒ（ ＬＶ５ ＣＴＲＬ ＴＷＲ ）」の日本国内市場への提供を開始した。（ 坂上 賢治 ）

このＬＶ５ ＣＴＲＬ ＴＷＲは、完成車両を製造工場から保管場所へ陸送する際、これまで専任ドライバで行っていた移動工程を自動化するためのシステムを指す。

より具体的には、工場と車両保管倉庫に至る通路の随所に複数台のＬｉＤＡＲセンサー（ 近赤外光や可視光、紫外線等で移動路の通路空間を測定する ）を設置。まずは、この空間計測を介してクラウド経由で出発地（ 完成車工場の出口 ）から目的地（ 完成車保管のための倉庫 ）までの安全な経路をＡＩで決定させる。

これを踏まえ、続いて車両側搭載の通信ユニット（ 既に多くの新型車は、通信機能を持つコネクテッドカーになっている ）と、先のＬＶ５ ＣＴＲＬ ＴＷＲを駆使し、車両移動でドライバーの手を煩わせる事無く、昼夜すら問わずに数千台規模の完成車両の自動搬送（ 無人運転 ）を実現するというもの。

上記の通り、通路空間の死角なども充分に把握した上で、ソフトウエアを使って車両を移動させられるため、移動させる完成車自体には、当該空間輸送のための特別なセンサーやソフトウェア等を搭載する必要は無く、ロジスティクス工程内での全自動化（ 自律走行 ）が完成する。この車両搬送システムのマクニカによる詳細説明は右記の同社当該ページの通り：https://www.macnica.co.jp/business/maas/services/142291/

なお同システムは、既に独ＢＭＷ社の生産工場で採用済みであり、工場内の完成車両を自動搬送するため運用実績としては充分以上の成果も備えている。

ちなみに同成果により、車両の保管倉庫に於いて空間使用率が２割から３割も向上するという副産物も生まれている。このＢＭＷによる自動車製造工程に於ける自動運搬の詳細は、右記ＵＲＬを閲覧されたい（ 加えて下記ムービーの最後半部分では、車両倉庫へ自律運転する完成車両の様子が描かれている ）：https://www.nextmobility.jp/car_parts/bmw-to-unmanned-car-manufacturing20220719/