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2019年7月9日【テクノロジー】

ルミノソとデンソー、自然言語ソフトウェアで生産性向上策に着手

坂上 賢治

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「あいまい検索」機能を利用した大量技術文書の解析により、製造現場の真因分析を可能にする

 

 AI(人工知能)を活用した自然言語理解・非構造化データ解析機能ソフトウェアの開発・提供企業、米ルミノソテクノロジーズインク(Luminoso Technologies, Inc./本社:マサチューセッツ州ボストン、CEO:Adam Carte)は7月9日、株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:有馬 浩二)の事業改善に協力して取り組むと発表した。(坂上 賢治)

 

世界中に130を超える生産工場を有するデンソーでは、日々の生産活動や改善活動の中で、膨大なナレッジが生まれている。しかし生み出された有益なナレッジは世界中に散在しており、かつ表現や形式が多様なため、限られた範疇での情報共有に留まっている。

 

そこでAI技術の利用を介して様々なナレッジを蓄積。事業内容や国境を越えて実務の生産性向上に取り組む。これについてデンソー生産技術部長の齋藤賢宏氏は、「デンソーは業務の進め方の継続的な改善に努めています。

 

そうした取り組みの一環として、これまで蓄積してきた大量のメンテナンス記録を活用して、設備の長時間停止につながる潜在的な要因を見つけ出し、より生産性の高い設備づくりに反映したいと考えていました。

 

しかし自然言語・非構造化データに対する一般的な分析手法では精度が不十分であり、日本語もしくは他言語のコンテンツの意味や文脈を理解する機能が求められています。
ルミノソの自然言語解析ソフトウェアは、設備の長時間停止と関連性の高い要因を可視化して、設備の問題点を網羅的に把握するための高機能かつ高品質なソリューションを提供してくれます」と話している。

 

さらに齋藤氏は「ルミノソで特に素晴らしいと感じたのは、同社のAIが当社の文書を理解するスピードです。事前準備作業として用語に手動でタグ付けしたり、一般的に機械学習に欠かせないトレーニングや辞書登録も必要ありません。ソフトウェアは与えられた情報をそのまま理解し、当社のエンジニアの生産性向上に必要なメンテナンス記録を迅速に識別してくれます」とその使い勝手への安心感について述べた。

 

対してルミノソ側は、デンソーの社内に蓄積されている様々なナレッジを共有していくことを進める意向だ。同社では「例えば設備改善の担当者が100万件以上の過去の記録や修理情報の中から、生産性の高い設備づくりに有効な情報を速やかに閲覧することが可能になります。

 

当社のAIを利用したアプリケーションは、個別の単語だけでなくデンソーのメンテナンス記録における考え方も理解します。また注釈の手動入力やトレーニングを経ず機器名やエンジニアリングの略語(例:「ロボット」を示す「RB」)など、自動車部品分野やデンソー社内の専門用語も理解します。

 

さらに当社のテキスト分析ソリューションを活用頂くことにより、デンソー社内で何十年にもわたり脈々と培われてきたナレッジから設備故障の根本原因を突き止められます。

 

この結果、停まらない設備開発につなげることや現場にある大量のFactory IoTデータ(例 :設備や作業員の状態など)と自然言語データのマッチングをブラッシュアップして不具合の復元に要する時間短縮や設備の最適化などにも効果を生み出すことを目指しています」と述べている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。