SEMIジャパン( 所在地:東京都千代田区、代表:浜島 雅彦 )は2月16日、米国本部のSEMI( 米・カリフォルニア州ミルピタス )を介して、SMG( SEMI Silicon Manufacturers Group )による昨年のシリコンウェーハ業界に係る分析結果を基に、2022年( 歴年 )のシリコンウェーハ出荷実績を発表した( 2023年2月7日付け公表データ )。( 坂上 賢治 )
それによると、出荷面積では前年比3.9パーセント増の147億1,300万平方インチ、販売額では前期比9.5パーセント増の138億ドルを記録。これらは、いずれも過去最高値値を記録した。
昨年のシリコンウェーハ出荷面積は、旺盛な半導体デバイス需要を支えるために、2021年の141億6,500万平方インチに対して、147億1,300万平方インチへ拡大。
また5Gの構築と共に、車載、産業、IoTの各セグメントにも牽引され、200mmウェーハと300mmウェーハの双方の消費量が共に増加した。販売額も2021年の記録を更新する138億3,100万ドルに達した。
SEMI SMG会長並びにOkmeticの最高商務責任者( CCO )のアンナ – リーカ・ヴオリカリ-アンティカイネン氏( Anna-Riikka Vuorikari-Antikainen )は、「世界的にマクロ経済の懸念が深まっていますが、シリコンウェーハ産業は前進を続けています。
シリコン出荷面積は、過去10年のうち9年で増加しており、これは半導体という重要産業に於けるシリコンの中心的役割を示すものです」と語っている。
なお気になるのは、2023年以降のシリコンウエハーの成長予測だが、現在段階の推移から読み解くと、おそらく今年はマクロ経済の厳しい状況により鈍化の兆しも見せるものの、翌2024年以降はデータセンターや車載需要の他、産業用アプリケーション分野などの旺盛な需要喚起により回復するという見立てを示す識者も見られる。
実際、半導体の製造工程で用いるシリコン・ウェーハの精密加工装置・精密加工ツールメーカー世界大手のディスコは、先の1月24日発表の2022年4〜12月期・連結決算で、機械装置の需要が堅調に推移しているとして、当期売上高が過去最高値となった事を公表している。
加えて少なくともこの2023年は、日本の信越化学( 信越半導体 )やSUMCO、独Siltronic(シルトロニック)、台湾のGlobalwafers(グローバルウェーハズ)などの主要各社が揃って拡張する世界需要に応えるべく増産の構えを見せている。
半導体用シリコンウェーハ*市場の数値による年次動向は以下の通り( 出所:SEMI / 2023年2月 )*なお半導体用シリコンウェーハの出荷面積のみ。太陽電池用は含まれない。
ちなみに本記事で用いた数値は、ウェーハメーカーよりエンドユーザーに出荷された、バージンテストウェーハ、エピタキシャルウェーハを含むポリッシュドウェーハと、ノンポリッシュドウェーハを集計したものとなっている。