豊田合成は12月10日、燃料電池自動車(FCV)の主要部品である高圧水素タンクを生産する「いなべ工場(三重県いなべ市)」で、ラインオフ式を開催した。
式典には、三重県の鈴木知事、いなべ市の日沖市長、トヨタ自動車元町工場の岡田工場長をはじめとする関係者を招き、豊田合成の関係役員と従業員らが参加。いなべ工場では11月から、トヨタの新型「MIRAI(ミライ/12月発売)」向けの高圧水素タンクの生産を開始している。
豊田合成は、今後も燃料電池自動車の普及拡大に対応し、いなべ工場の生産能力を順次強化していくとしている。
[高圧水素タンクについて]
トヨタと共同開発した高圧水素タンクは、材料・設計・生産技術の工夫により、カーボン層を極小化することで内容積を増やし、水素質量効率(水素質量/タンク質量)を約1割向上。新型MIRAIの航続距離が約30%向上した。
<特徴>
・高気密:分子が小さく透過しやすい水素の透過・漏れを防ぐため内側の特殊な樹脂製の容器(樹脂ライナ)で密閉。
・高耐圧:水素を効率的に貯蔵するため、約700 気圧(70 メガパスカル)で圧縮。高圧にも耐えられるよう、「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)」などを巻いて強度を確保。
<生産工程概要>
いなべ工場では、「登録容器等製造業者」として経済産業大臣の認可を取得(国内の自動車部品メーカーでは初)。工場内に試験設備を導入し、自社認定検査員による品質管理体制を構築している。
[工場概要]
– 工場名:豊田合成 いなべ工場
– 所在地:三重県いなべ市 藤原町 藤ヶ丘6番1
– 生産品目:高圧水素タンクなど
– 面積:敷地 約130,000m2 建屋 約21,000m2
– 従業員数:約100名
– 環境設備:
・太陽光発電パネル:1,600kW(2021年3月設置予定)
・風力発電:5kW×2機
・水素燃料電池発電:3.5kW
・地中熱空調、LED照明(全灯)