トーヨータイヤ(TOYO TIRE)は、転がり抵抗を同社従来品比で約9%低減し、車両の燃費性能向上に寄与するトラック・バス用低燃費リブタイヤ「NANOENERGY(ナノエナジー)M176」を、来年1月から新商品として日本国内市場で順次発売する。
サイズは、11R22.5 14PR、11R22.5 16PR、295/80R22.5 153/150J、245/70R19.5 136/134Jの全4種。価格はオープン。
一般的に走行中の自動車のタイヤは、回転して路面を進む際、接地摩擦などの抵抗を受けることにより、ゴム内部でエネルギーロスが発生。一方、ゴム内部でエネルギーロスの発生を抑えると転がり抵抗が良化するため、タイヤそのものの低燃費性能は向上するが、相対的に耐摩耗性能は悪化する。
トーヨータイヤでは、独自のプロセス技術により、ゴムコンパウンドのエネルギ-ロスを約20%低減できるポリマー「Nano Composite Polymer(ナノ・コンポジット・ポリマー/*1)」を開発し、今回、国内向け商品として初めてNANOENERGY M176に採用。
タイヤの転がり抵抗低減への寄与度が最も高いキャップトレッド部、およびベーストレッド部に、このポリマーを使用することで、優れた低燃費性能を実現すると同時に、高い耐摩耗性能を維持していると云う。
さらに、経済性や耐久性、低燃費性能や環境性能をバランスよく向上させる、独自のトラック・バス用タイヤ基盤技術「e-balance(イーバランス/*2)」を活用。トラック・バス用タイヤに求められる複数の性能特性を高次元で満たしたとしている。
トーヨータイヤでは、中期経営計画「中計’17」において、トラック・バス用タイヤの国内向け低燃費商品の投入を成長戦略の一つとして掲げている。
高い耐摩耗性能を維持しながら、背反する低燃費性能をより向上させたNANOENERGY M176は、トラック車両、バス車両の燃費改善に寄与するとともに、車両から排出されるCO2の削減にも貢献するとしている。
*1:Nano Composite Polymer:トーヨータイヤが2018年3月に確立した、Nano Balance Technologyにおける「ナノ加工」の進化技術(コンパウンド作製前に固形ゴム中のフィラー構造を最適化する独自の技術)によって生み出されたポリマー。フィラーの凝集塊が飛躍的に低減し、均一かつ高度に分散された理想的なフィラー状態を確保した。この結果、従来に比べてエネルギーロスを約20%抑制できるゴム配合技術に成功。
*2: e-balance:1.タイヤ形状安定、2.高剛性新ビード、3.最適化シミュレーションにより、4つのe効果、Economy(経済性)、Endurance(耐久性)、Energy(低燃費)、Ecology(環境)をバランスよく向上させたトラック・バス用タイヤ基盤技術。
[主な商品特長]
タイヤコンパウンドに、転がり抵抗低減への寄与度が最も高いキャップトレッド部およびベーストレッド部にNano Composite Polymerを採用。ナノレベルでの高度な分散体を使用することで従来品と同レベルの高い耐摩耗性能を維持しつつ、転がり抵抗を約9%低減(同社従来品比)。
タイヤパターンに「最適リブ配分」「リブ分断S字サイプ」「マルチピッチグル-ブ」を採用。従来品の優れた耐摩耗性能を確保したうえで、耐偏摩耗性能やトラクション性能などの向上も図っている。
<サイズ展開(全4サイズ)>
11R22.5 14PR、11R22.5 16PR、295/80R22.5 153/150J、245/70R19.5 136/134J