京都大学エネルギー科学研究科 石山拓二 教授、慶應義塾大学 飯田訓正 特任教授、早稲田大学 大聖泰弘 特任研究教授らの研究グループは、1月25日、乗用車用のガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンともに、正味最高熱効率50%を上回る技術の開発に成功したことを発表した。
現在、市場に出ている乗用車用エンジンの熱効率は40%程度。これに対し、同研究グループでは、ガソリンエンジンに関しては超希薄燃焼(スーパーリーンバーン)、ディーゼルエンジンに関しては高速空間燃焼の実現に成功。
さらに両エンジンに共通する損失低減のための研究開発により、機械摩擦損失の低減技術、ターボ過給システムの効率向上技術、および熱電変換システムの効率向上技術も開発した。
そして、これらの技術を統合した結果、ガソリンエンジンでは51.5%、ディーゼルエンジンでは50.1%の正味最高熱効率を得ることに成功したという。
当研究は、今後数十年間は主流になると予測されている内燃機関を搭載した自動車による環境負荷を低減し、世界の二酸化炭素(CO2)排出量の削減に貢献することを目的としたもの。
今後、同研究グループでは、この成果により、燃焼分野の基礎科学を発展させると同時に、日本の産業競争力の強化を目指す。
なお、研究成果の詳細は、2019年1月28日に、SIP「革新的燃焼技術」公開シンポジウムで発表される予定だ。