京セラは11月27日、米国の連結子会社、AVX社の取締役会が組成した特別委員会に対し、京セラ以外の少数株主が保有する同社普通株式の全てを1株当たり$19.50の現金対価で取得し、完全子会社化する提案を行った。
提案価格は、AVX社の直近終値株価に29.7%、1、3、6か月のAVX 終値平均株価にそれぞれ27.4%、27.6%、27.0%のプレミアムを付した価格としている。
AVX(NYSE: AVX)社は、米国サウスカロライナ州ファウンテン・インに本社を置く、京セラの連結子会社で、電子部品、コネクター、センサー等の幅広い製品群を有するグローバル企業。
京セラは現在、AVX社の発行済普通株式の約72%を保有しているが、今後、完全子会社化を目指して、同社取締役会が組成した特別委員会と協議を進めていく。
[提案の内容(全文)]
AVX Corporation 特別委員会
ご存じの通り、京セラ株式会社(以下「京セラ」といいます。)は30年近くに亘り、AVX Corporation(以下「AVX」といいます。)と素晴らしい信頼関係を築いて参りました。AVXは素晴らしい事業を展開し、その将来は京セラの事業にとっても重要な鍵となるものです。
今般、今後の市場動向を踏まえ、両社の更なる発展に向けては、京セラは AVX の現在の株主構成を変更することがその戦略的構想に最も資すると考えるに至りました。
そこで、京セラは、AVX の少数株主分の普通株式を1 株当たり$19.50で取得し、完全子会社化すること(以下「本件潜在取引」といいます。)を提案いたします。
1 株当たりの買収価格$19.50 は、AVXの直近終値株価に29.7%、1、3、6 か月のAVX 終値平均株価にそれぞれ27.4%、27.6%、27.0%のプレミアムを付した価格です。
ご存じの通り、京セラはAVX の発行済普通株式の約72%を保有し、AVX 取締役9名のうち6名は現任の京セラの役員が占めています。
したがって、京セラは、AVX 取締役会における独立した特別委員会が、独立した法務アドバイザー及び財務アドバイザーの助言に基づき、本提案について検討し、AVX取締役会に本件潜在取引に関する提言をすることを想定しております。
京セラは、長年に亘るAVX の過半数を有する株主としてAVX の状況を把握していることから、関連資料へのアクセスが可能となったのち、AVX に関するデューデリジェンスを速やかに完了させることができると考えております。
また、価格の協議と並行して速やかに交渉できるよう、京セラの弁護士は合併契約の草案を既に準備しています。デューデリジェンスのリスト及び合併契約の草案については、速やかに提出いたします。
本件潜在取引においては、京セラは AVX の株主という立場において、AVX少数株主分の株式取得のみに関心を持っており、既に保有しているAVX株式を売却する意向はありません。また、AVXに関する如何なる代替的な売却、合併または類似の取引に賛同することも想定しておりません。
ご連絡をお待ちしております。
京セラ株式会社
■AVX:http://www.avx.com/