人工知覚の研究開発を担うKudan( くだん/本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:項 大雨 )は10月28日、車載ソリッドステートLiDAR(ライダー)センサーと知覚ソフトウェア製造のイノヴィズ・テクノロジーズ( Innoviz Technologies/本社:イスラエル テレアビブ、共同創業者兼CEO:オメル・デイビッド・ケイラフ< Omer David Keilaf > )とパートナーシップを締結した。( 坂上 賢治 )
Kudanとイノヴィズの提携は、SLAM技術( 自己位置推定と環境地図作成の同時実行/Simultaneous Localization and Mapping )を活用した3Dデジタルマッピングソリューションへの需要に応えるもの。
同提携で両社の技術を組み込んだ製品は、精度・ロバスト性・コスト効率の優位性を強みに周辺環境の3Dマップの生成と自律走行性の実現が可能となるという。
例えば自動運転車両の自律的な判断は情報の質に依存する。このため環境の把握は車両制御にとって非常に重要なものとなる。イノヴィズのライダーによるスキャンとSLAM技術の組み合わせは、高密度かつカラー化された3Dの点群生成による環境マッピングを実現させる。
これを踏まえて両社では、HDマップ(高精度三次元地図)・ロボティクス・建設・測量・デジタルツインニングや産業用メタバース向けアプリケーションなど幅広い用途で大きな強みを持つソリューションになるだろうとしている。
市街地でのマッピングデモ画像(北海道の帯広駅ロータリー周辺)
Kudanでは「自動車以外での用途拡大に寄与する一方で、当社のSLAMソフトウェアは高精度かつ信頼性の高い情報を提供する事で、車両が周囲の環境を把握することを可能にし、自律走行車両がリアルタイムで環境の変化に応じて行動できる能力も提供します。
一方、イノヴィズの高性能ライダーは、最大250mの距離で豊富な3D点群データを提供しており、太陽光や天候の影響も受け難いため、安全な自動車の走行や自動車以外の用途双方に於いて当社のSLAMソフトウェアの精度と信頼性に貢献します」と説明している。
また併せてKudanの項大雨CEOは「様々な産業に於いて、ライダーSLAMベースのマッピングを活用したデジタルトランスフォーメーションのニーズは高まり続けており、これまで以上に緊急性を増しています。
イノヴィズとの新たなパートナーシップのもと、様々な垂直領域において、幅広いユースケースへの適用と投資対効果の観点から、最高のマッピングソリューションを市場に提供できることを期待しています。
Kudanとイノヴィズは、日本および世界におけるデジタルマッピングプロジェクトで協業していく予定であり、今後も引き続き協業に関する最新情報をお伝えしていきます」と話している。
一方、イノヴィズのオメル・デイビッド・ケイラフCEOは「イノヴィズは、Kudan SLAMソリューションを使用して、自動車用途とそれ以外の用途両方でマッピングのコラボレーションを推進できることを嬉しく思っています。
KudanのSLAMソフトウェアおよび関連ツールは当社製品と非常に相性が良く、自動運転向けの高精度地図作成、ロボティクス、地理空間マッピング、測量など、多くの用途において大きな事業機会があると見ています。また自動車以外の用途両方でもアジアでのニーズは高まっています」と述べている。