コマツは8月18日、100%子会社で林業機械の製造販売を行うスウェーデンのコマツフォレストで新工場を竣工し、生産を開始したと発表した。
コマツフォレストは、2004年の買収以降、林業機械の開発・生産の中核拠点としてコマツの林業機械ビジネスを担っている。
今回コマツは、このコマツフォレストにおいて、ウメオ市内中心に点在していた生産工場を新工場一ヶ所に集約し、生産工程および物流のレイアウトを最適化。さらにコマツ初となるAGV(※1)活用の自動牽引組立ライン導入を始め、新たな生産技術を織り込み、従来工場に比べ生産性30%向上を実現した。
加えて、約19,000㎡の太陽光パネルの設置や地熱を活用した暖房設備など再生エネルギー供給設備を導入することで、電力使用量を大幅に削減。コマツの生産工場として初めてカーボンニュートラルを実現した。
コマツでは、中期経営計画の経営目標として、2030年までに製品使用により排出されるCO2の50%削減(対2010年比)、生産によるCO2排出の50%削減(対2010年比)を設定。またチャレンジ目標として2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目指している。
その取り組みの一つとして、林業ビジネスにおいては、伐採だけでなく植林や育林も含めた持続可能な循環型林業を掲げており、また、危険な作業を機械化し安全に貢献する機械化林業やドローンで計測した木の本数や成長度合いなどのデータを分析し、森林管理に活かすスマート林業に取り組んでいる。
コマツは、コマツフォレスト新工場での生産開始によりカーボンニュートラルへの取り組みを加速させると共に、林業ビジネスを強化・拡大。また、今後も「品質と信頼性」を追求し、企業価値の最大化を図ると共に、ダントツバリュー(顧客価値創造を通じたESG課題の解決と収益向上)により、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現を目指していくとしている。
※1:Automated Guided Vehicle 無人搬送台車。
[コマツフォレストABの会社概要]
– 代表者:梅田 博之社長
– CEO:イェンス ベングトソン
– 所在地:スウェーデン ウメオ テーゲルブルクスヴェーゲン1, 907 42
– 主要事業:林業機械の製造、販売
<新工場の概要>
– 敷地面積:約133,000㎡
– 建屋面積:約 40,000㎡(オフィス関連含む)
– 投資金額:約 100億円
– 生産品目:ハーベスター・フォワーダー・ハーベスターヘッド