小糸製作所が開発したスキャン方式によるハイビーム配光可変ヘッドランプ「ブレードスキャン」が3月5日、2020年度の日本機械学会賞(技術)を受賞したと発表した。なお小糸製作所の同賞受賞は初となる。
日本機械学会賞は、日本最大規模の学術団体、日本機械学会が日本の機械工学・工業の発展を奨励することを目的に、画期的な新製品の開発や品質・生産性向上等により、日本の経済に貢献した技術に対して贈られるもの。
ハイビームの配光を自動制御するランプシステム(Adaptive Driving Beam:ADB)である「ブレードスキャン」は、高速回転する2枚のブレードミラー(リフレクタ)に、LEDの光を照射させ、光の残像効果を用いて前方を照射するスキャン方式を世界初採用。ブレードミラーの回転に合わせて12個のLEDの点消灯を制御することにより、LED約300個相当の高精細な配光を実現し、対向車や前走車に対する遮光範囲を極めて小さくした。
これにより、対向車や前走車の近傍や車両間のスペースを照射し、対向車側からの歩行者横断時など、歩行者の早期発見につなげることで、交通事故低減に貢献する。
小糸製作所はこれからも、最先端の技術を追求し、顧客第一の製品開発に努め、クルマ社会の安全性・快適性の向上に取り組んでいきたいとしている。
[受賞内容]
– 受賞件名:スキャン方式によるハイビーム配光可変ヘッドランプの開発と量産化
– 受賞者:滝井 直樹、山村 聡志、田中 秀忠、加藤 靖礼、櫻井 一利
– 開発の内容:
高速回転する2枚のブレードミラー(リフレクタ)の回転に合わせて、12個のLEDの点消灯を高速制御することにより、対向車や前走車の近傍や車両間のスペースの照射が可能となる高精細な配光を実現。歩行者を早期発見することで、交通事故低減に貢献する。