小糸製作所は、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転向けLiDARの製造・販売を行う米国カリフォルニア州の「セプトン社(Cepton Technologies)の株式を取得した。
ADAS搭載車や自動運転車では、機械が周囲環境を認知するために、LiDAR、カメラ、ミリ波等の高精度なセンサの搭載が必須となっている。
小糸製作所では現在、人と機械の視界をサポートする照明器技術の開発に加え、各種センサの開発にも取り組んでいる。
この一環として今回、小糸製作所は、以前から車載用LiDARの共同開発を行ってきたセプトン社に5,000万ドルを出資し、高性能LiDARの実用化に向けて関係強化を図る。
セプトン社のLiDARは、遠方を高解像度で検知できる性能を有し、また広範囲を検知するためのスキャン方法に画期的な独自技術を採用。
従来のモーター回転式やミラースキャン式とは異なり、機械的な摩耗が無く耐久性に優れたシンプルな構造であるため、自動車部品に求められる高い信頼性、量産性、コストの両立が可能などの特長があると云う。
小糸製作所は、今後、高性能で高い信頼性を持つLiDARの量産化に向けて開発を加速させるとともに、同社の自動車照明器技術と組み合わせたランプの実用化に向け、共同開発に取り組んでいくとしている。
[株式取得会社の概要]
– 名称:Cepton Technologies, Inc.(セプトン・テクノロジーズ)
– 所在地:2880 North First Street, San Jose, CA, 95134(米国カリフォルニア州サンノゼ)
– 代表者の役職・氏名:CEO, Jun Pei
– 事業内容:自動車・輸送インフラ等の各市場向けLiDAR製品の製造・販売
– 設立年月日:2016年4月26日
– 上場会社と当該会社との間の関係:
・資本関係:該当事項なし。
・人的関係:該当事項なし。
・取引関係:2018年5月から共同研究を実施。
[今後の見通し]
この件による、小糸製作所の2020年3月期業績への影響は軽微。なお、セプトン社は、連結子会社、持分法適用会社には該当しない。
[セプトン社のLiDAR技術について]
LiDARは、赤外線レーザを極短時間発光し、対象物からの反射光を受光、発光から受光までの時間から距離を計測するセンサで、レーザを上下/左右に走査させることで、広範囲の対象物との距離を把握することができる。
このレーザのスキャン技術は、各社LiDARの性能などを左右する最も大きな技術要素だが、自動車部品に求められる高い信頼性の実現には、未だ課題があると云う。
セプトン社では、このスキャン方法に、従来のモーター回転式やミラースキャン式とは異なる独自技術を採用、機械的な摩耗が無く耐久性に優れたシンプルな構造のため、自動車部品に求められる高い信頼性、量産性、コストの両立を可能とした。
■Cepton Technologies:https://www.cepton.com/index.html