小糸製作所は12月22日、21日開催の取締役会で、米国のナスダック市場に上場している自動車等用のLiDAR(※)の製造・販売会社「Cepton(セプトン)」(本社:米国カリフォルニア州)との間で、同社の子会社化に向けた株式取得に関する交渉を開始することを決議したと発表した。
なお、この件による来年3月期業績への影響は軽微であるとのこと。
セプトン子会社化の背景と理由
小糸とセプトンは、2018年より車載用LiDARの共同開発を開始。現在は、中距離用LiDARの開発・量産準備が完了し、長距離用に加え、短距離用LiDARの開発に取り組んでおり、乗用車から産機・建機・農機などの車載向け全てのニーズへの対応を図っているところだと云う。
また、セプトンの独自技術である「Micro Motion Technology(マイクロモーションテクノロジー)」技術によるLiDARは、摺動部が無く、高い耐久性が求められるインフラ領域での幅広いニーズにも対応できることから、移動体検知システム「ILLUMIERETM(イルミエル)」の開発・拡販など、シェア獲得に向けた取り組みも進めている。
以上のようにセプトン社との協業範囲が拡大する中、小糸は、セプトン社の子会社化により、セプトンの優れた技術力と自社グループの自動車照明器や交通システム事業等で培った技術・ノウハウのシナジーを追求。LiDAR事業に於けるQCDD(品質・価格・供給・開発)など、市場競争力の更なる強化を図っていくとしている。
※)LiDAR:Light detection and rangingの略で、レーザー光を照射し、その反射光を測定することで対象物までの距離を測定する技術、装置。
[セプトン概要]
– 名称:Cepton, Inc(セプトン・インク)
– 所在地:399 West Trimble Road, San Jose, CA, 95131(米国カリフォルニア州サンノゼ)
– 代表者の役職・氏名:CEO Jun Pei
– 事業内容:自動車・輸送インフラ等の各市場向けLiDARの製造・販売。
– 設立年月日:2016 年4月26日
– 上場会社と当該会社との間の関係:
・資本関係:小糸製作所は、セプトン社の普通株式1,962,474株および普通株式に転換可能な無議決権優先株式(CPS) 100,000株を保有している(議決権所有割合:約12.4%)。
・人的関係:小糸製作所の取締役1名と執行役員1名の計2名がセプトン社の取締役を務めている。
・取引関係:2018年5月より共同研究を実施している。