小糸製作所とデンソーは10月19日、「夜間走行時の安全性向上」を目指し、車両のランプと画像センサーを協調させることによる、画像センサーの物体認識率向上に向けたシステム開発検討の協業を開始したことを発表した。
両社では、自動車業界の課題の一つである「交通事故死亡者ゼロ社会」の実現を目指し、車両の安全性能向上に取り組んでおり、「夜間走行時の安全性向上」は重要な開発テーマとなっていると云う。
具体的には、小糸製作所は、自動車照明器に於いて、ハイビームの配光を制御し、対向車などに眩しさを与えることなく夜間走行時の良好な視界を保つ「ADB(Adaptive Driving Beam)」を開発するなど、高機能・高性能なライティング技術で夜間の視認性向上に。
またデンソーは、安全運転支援システムに於いて、「目」の役割を担う車両周辺を認識するセンサーに強みを持っており、夜間を含めた様々な交通シーンにおける画像センサーの物体認識率向上に取り組んでいる。
そこで、協業では、小糸製作所の強みであるハイビームの配光制御技術と、デンソーの強みである画像センサーの物体認識技術を協調させることで、「夜間走行時の安全性向上」に貢献できるシステムの開発を検討。
昼間に比べ約2倍多い夜間の歩行者死亡事故(*)を低減するために、画像センサーが歩行者を従来以上に早く認識できるライティングが実現可能かなど、具体的な開発テーマを探索・設定していく。
*ITARDA(公益財団法人交通事故総合分析センター)による統計データから算出。
[各社コメント]
・小糸製作所 専務執行役員 技術本部長 勝田隆之氏
「自動車部品のトップサプライヤーであるデンソーとライティングのリーディングカンパニーである小糸製作所の協業は、次世代モビリティの実現に大きく貢献できると考えています。小糸製作所は今後とも、“KOITO VISION~人と地球の未来を照らす~”の達成に向け、次世代のモビリティ社会に於いても安全・安心に貢献する製品を開発、市場に投入してまいります」。
・デンソー モビリティエレクトロニクス事業グループ長 近藤浩氏
「長年に亘り、ライティング性能を向上し世界中の自動車の安全に寄与している小糸製作所との協業は、デンソーのモビリティエレクトロニクス事業にとって大変意義深いものです。ライティングのプロである小糸製作所とパートナーシップを組むことで、デンソーは今後も交通事故死亡者ゼロという目標達成に向けて力強く取り組んでいきます」。