神戸製鋼所は4月17日、インドで自動車や建設機械用タイヤなどの製造工程で使用されるタイヤ・ゴム機械(ゴム混練機、及びゴム二軸押出機/※1)の製造・設計・販売を行うL&T Kobelco Machinery(LTKM社)を、完全子会社化した。
神戸製鋼は2010年、インドの建設エンジニアリング最大手で産業機械なども手掛けるラーセン・アンド・トゥブロ社(LARSEN & TOUBRO:L&T社)と合弁(神戸製鋼49%出資)で、LTKM社を設立。
今回、神戸製鋼と同社のシンガポール現地法人のKobelco Machinery Asiaとの2社による100%出資へと変更し、それに伴い会社名は5月から「Kobelco Industrial Machinery India(KIMI)」となる予定。
神戸製鋼は、LTKM設立当初、インド国内での販路確立や製品・ブランドの浸透のため、L&T社を戦略的パートナーとして共同経営してきたが、インドを中心に年5%以上の成長を続ける新興国でのタイヤ・ゴム機械の需要が拡大、更なる営業力強化や生産面でのコスト競争力強化、機動的な運営を目的として完全子会社化した。
今回の完全子会社化により、インド国内需要の獲得に留まらず、周辺地域である東南アジア、更には欧州地域への拡販を強化し、神戸製鋼タイヤ・ゴム機械の事業シェア拡大を図るとしている。
※1)ゴム混練機、ゴム二軸押出機:ゴム混練機は、タイヤもしくはゴム製品の製造工程の最上流に設置され、原材料のゴム、カーボン、硫黄、薬品、オイルなどを混ぜ、練り込む機械。通称ミキサー。一方、ゴム二軸押出機は、ゴム混練機の下工程に設置され、混練されたゴム他の原材料の塊をシートに加工する機械。
[LTKM社の概要]
– 会社名:L&T Kobelco Machinery Pvt. Ltd.
– 所在地:インド共和国 タミル・ナドゥ州カーンチプラム市
– 資本金:5億ルピー
– 設立年:2010年11月(2011年操業開始)
– 出資比率:Larsen & Toubro 51%、神戸製鋼49%
– 代表者:S.Arul(S.アルール)
– 事業内容:タイヤ・ゴム機械の製造・設計・販売・サービス
[神戸製鋼の機械事業部門タイヤ・ゴム事業]
神戸製鋼は、国内拠点(高砂製作所)の他、KIMIに加え米・中・独に海外拠点を有し、グローバル展開を進めている。また、ゴム混練機では世界シェア40%を獲得している。
■海外拠点一覧
<会社名、所在地、事業内容>
– Kobelco Stewart Bolling、米国 オハイオ州 ハドソン市、北米地域でのタイヤ・ゴム機械の製造・設計・販売・サービス
– 神鋼産機系統工程(青島)、中国 山東省 青島市、中国地域でのタイヤ・ゴム機械の販売・サービス
– Kobelco Machinery Europe、ドイツ ミュンヘン、欧州地域でのタイヤ・ゴム機械の販売・マーケティング
– 益陽益神機械、中国 湖南省 益陽市、中国地域でのタイヤ加硫機の製造・設計・販売・サービス