神戸製鋼所の完全子会社で、自動車向けアルミ押出・加工品の製造・販売を行う「Kobelco Aluminum Products & Extrusions(KPEX社)」は、北米における自動車向け押出・加工品需要の拡大に対応するため、約4,200万米ドル(約47億円)を投じ、生産能力を増強する。
KPEX社は、バンパー材や骨格材などで拡大が見込まれるアルミ押出材需要の捕捉を目的に2016年4月に設立。今年11月から、溶解鋳造工程から最終工程である加工工程までの一貫生産を開始している。
北米では、衝突安全規制強化などを背景に、車体軽量化かつ高強度化のニーズが加速。神戸製鋼では、衝撃吸収性の観点からアルミ材の需要拡大を見込んでいる。
そこで、さらなる需要捕捉に向け、溶解・押出・加工工程の生産能力増強を決定。計画では、2020年前半に、溶解炉2機・押出プレス2機の体制とし、生産能力を現状の約500トン/月から約1,000トン/月へ倍増させる。
神戸製鋼は、日本市場で培った高強度7000系合金開発力と断面設計技術力を両軸とした同社独自の軽量化提案を通じ、現地顧客の信頼を獲得すると共に、日米両極でのアルミ押出・加工品の供給体制を強化し、自動車軽量化へ貢献していくとしている。
[会社概要]
– 社名:Kobelco Aluminum Products & Extrusions Inc.
– 設立:2016年4月21日
– 立地:米国 ケンタッキー州ボーリンググリーン市(KAAP※1隣接地)
– 資本金:2,400万ドル / 出資:神戸製鋼 100%
– 従業員数:86人(2018年11月30日現在)
※1)KAAP(Kobe Aluminum Automotive Products, LLC):米国における自動車サスペンション用アルミ鍛造品、コンプレッサ用鋳造棒の製造・販売会社。
[追加投資内容]
– 増強設備:溶解炉1機、押出プレス1機、その他加工設備
– 投資金額:約4200万米ドル
– 増員規模:約90人(フル操業時)
– 竣工時期:2020年前半より量産稼働開始予定