米キーサイト・テクノロジーズ・インク(NYSE:KEYS、所在地:米国カリフォルニア州サンタローザ、CEO:ロン・ネルセシアン、以下キーサイト)は日本時間の6月30日、Carlyle Group(カーライルグループ)からEggplant(エッグプラント)の買収を完了したと発表した。(坂上 賢治)
今回キーサイトが、約3億3000万米ドルを投じて買収したエッグプラントは、人工知能 (AI)を用いたアナリティクス技術を背景に、テスト環境の作成と、その実行を自動化するソフトウェアテストプラットフォームを提供。モバイル・IoT・デスクトップ・メインフレームなどを一貫して〝テスト〟〝監視〟〝分析〟できる唯一の技術企業だ。2019年の売上は3800万米ドルに達する。
そんなエッグプラントのデジタル・オートメーション・インテリジェンス(Digital Automation Intelligence)プラットフォームは、ユーザーインタフェース (UI)からアプリケーション・プログラミング・インタフェース (API) 、データベースに至るまで、様々なデバイス、オペレーティングシステム、ブラウザ上のレイヤでテストできる仕様となっている。
キーサイトの事業と補完的な性格を持つエクスラントのソリューションは〝物理層とプロトコル層〟を対象に、ソフトウェアの自動化テスト環境に於いて革新的な力をもたらすという。この買収により、互いの測定テクノロジーを双方間で活用できるため、技術の差別化がさらに促進されるだろうとしている。
実際この連携についてキーサイトでは、今日、提供データは数百万行のコードによって実現されており、こうした今日のデジタル革命によりソフトウェアのコンテンツ価値は飛躍的に高まっています。
今後はレガシーなプラットフォーム環境を引き続きサポートしながらも、競争力を高めるべくデジタルトランスフォーメーション(DX)をさらに加速させる必要があります。未来のデジタル製品に不可欠なテスト範囲と規模が拡大し続けるにつれ、ますます最終製品やサービスの複雑さは緻密となり、市場投入までの時間がその分長くなっています。
エッグプラントは、人工知能とアナリティクス技術を統合させることにより、ソフトウェアの開発速度と品質を引き上げられることから優位性と差別化がさらに推進されます。今後は既存のお客様だけではなく、より幅広い領域に至るまで私たちのマーケットは拡大していくことでしょうと説明する。
またキーサイトのチェアマンでCEOを務めるロン・ネセシアン氏(Ron Nersesian)は「エッグプラントを私たちの仲間として迎えることができました。通信レイヤ1~7階層の設計及び、テスト環境のリーディングカンパニーである当社の製品に、エッグプラントの新たなテスト機能が追加されることを大変嬉しく思っています。
これはソフトウェア中心のソリューションを市場に先駆けて提供するという当社の戦略にも沿ったものです。今日、大きく急成長しているインテリジェントソフトウエアテスト(Intelligent Software Test)マーケットでSaaSテクノロジーと共に働くことを心から楽しみにしています」と述べた。
一方、エッグプラントのDr.ジョン・ベイツCEO(John Bates)は「エッグプラントの技術がキーサイトと統合されることで、インテリジェントオートメーションプラットフォーム(intelligent automation platform)が拡張され、それが世界中のより多くのお客様にお届けできるようになります。
私たちはイノベーションを加速するというビジョンを共有しており、お客様のデジタル変革を一緒に支援することができます。当社の従業員とパートナーの貢献により印されたこれまでの足跡を誇りに思っており、今後はさらなるステージを目指す未来を楽しみにしています」と語っている。