5Gプライベートネットワークの可能性を最大限に引き出すほか、6Gにも対応
電気・電子計測機器メーカー最大手のキーサイト・テクノロジーズ(米カリフォルニア州)は10月13日、新たな技術動向を展望するグローバルイベント「キーサイト・ワールド・イノベート2022」を開催しているのに合わせ東京都内で記者説明会を開いた。(佃モビリティ総研・松下次男)
同ワール・ドイノベートは電気自動車(EV)、自動運転、人工知能(AI)、デジタルツインなどの分野におけるエンジニアリングイノベーションを推進するイノベーターに向けて、新しい技術トレンドを紹介し、実践的な知見を紹介するものだ。
このような中、記者説明会ではメイン講演者としてキチーフ・テクノロジー・エバンジェリストのジョナサン・ライト氏がオートメーション環境下における最適化ソリューションの提供などについてオンラインで解説した。
複雑さが増すコネクテッドカーの最適化に貢献。多層化するエコシステムにも自動検証
日本法人からは、日本マーケティングマネージャー兼アジアパシフィック・マーケティング・セグメントマネージャー担当の岡崎淳起氏が概要を説明した。
キーサイトはヒューレット・パッカード(HP)を祖業とし、そのHPから計測器分野専門メーカーとしてスピンアウトした。その後、関連メーカーを次々と買収して、世界最大の電気・電子計測器メーカーへと成長した。
今回の記者説明会では、その中の1社であるEggplant社(2020年に買収)とのシナジー効果から生まれたキーサイトのソリューションを紹介。EggplantoはAIを活用したテスト・計測分野に強みがあり、従来のキーサイトの検査ソリューションと合わせることで、さらに適用分野が大きく広がっているという。
現実に、自動車分野をみてもEV、自動運転、コネクテッドカーと技術革新は著しく、またサプライヤーを含めてすそ野が非常に広い。さらに自動運転でいえばクルマ単体にとどまらず、インフラ施設との交信もある。
進化するEVやADAS分野の最適設計やテスト環境ソリューションを提供
これに対し、同社はEggplantoのAI技術を組み合わせることにより、複雑に組み合わさったエコシステムをエンド・ツー・エンドで自動的に検証・テストが可能になったとした。
実際、ドイツの自動車メーカーに対しこうしたテスト環境を提供し、デジタルツインで検証を進めている。また、コネクテッドでは5G(第5世代移動通信システム)対応やその先の6Gについても検証可能性を進めているという。
ライト氏はこうしたキーサイトの開発サポート、検証ソリューションについて「次世代型」ソリューションと表現とした。
キーサイト・ワールドの開催日程は、南北アメリカが10月4~7日、欧州、中東、アフリカ、インドが10月11~14日、南アジア太平洋が10月18~21日、日本、韓国が10月25~28日、上海、台北が11月29~12月2日。
日本はオンラインで開催し、テスラのグローバルディレクターによるオープニング基調講演などが盛り込まれている。