三菱ふそうトラック・バス( 以下、MFTBC )は12月15日、サウジアラビア王国で初となる小型トラック「キャンター」のKD( ノックダウン )生産(自動車の部品を輸出して、現地で完成車に組み立てる生産方式)を開始したと発表した。
今年のGDP成長率が7%以上( https://www.imf.org/en/Countries/SAU )との最新予測もあるサウジアラビアでは、石油輸出を中心とした経済からの脱却を戦略的に示す「ビジョン2030」の下、複数のインフラや都市開発のメガプロジェクトを推進。大規模な公共投資による、サステナブルな設計の新たな観光地、公共交通網、未来技術を対象とした工業団地などの建設が計画されている。
その市場への投入が1973年までに遡るFUSOブランドのトラックは、過酷な環境下で必要な耐久性と信頼性により、ロングセラーとしての実績を築いてきた他、販売台数が特に多い小型トラックに加えて、中・大型トラック、小型バスを含む充実したラインアップを展開するなど、サウジアラビアで年間数千台を販売。その規模は、中東地域でアラブ首長国連邦に次ぐものであると云う。
今回、そのサウジアラビアで、三菱ふそうブランド、小型トラック「キャンター」のKD生産が開始された。
生産は、4D33エンジン搭載の小型トラック「キャンター」を対象( 車両総重量6.5トンのFE84を4型式と7.2トンのFE85を3型式 )に、メルセデス・ベンツブランドのトラック組み立てを約半世紀に亘って行ってきたナショナル・オートモビル・インダストリー社( NAI社 )が担当。部品は、MFTBCの川崎製作所から送られる。
[会社概要]
・ジュファリ・コマーシャル・ビークルズ社(juffali commercial vehicles):
1946年設立の同社はサウジアラビア王国に於けるダイムラートラックAGの販売代理店として、メルセデス・ベンツとFUSOブランドの製品を取扱っている。2018年には、FUSOブランドのトラックとバスの販売代理店として、サービスおよび純正部品供給を含む業務を開始した。URL(英語):https://juffali.com/automotive/
・ナショナル・オートモビル・インダストリー社(National Automobile Industry Company/NAI社):
ダイムラートラック社とJuffali & Brothersの合弁会社として1974年設立。1977年にメルセデス・ベンツのトラックのKD生産を開始して以来、サウジアラビア人の手によって11万台以上を製造している。