川崎重工は、人共存型双腕スカラロボット「duAro2(デュアロ・ツー)」による自動検温システムを開発し、6月2日から営業を再開した同社の企業ミュージアム「神戸海洋博物館/カワサキワールド(※)」に設置した。
自動検温システムは、双腕ロボットの右手に非接触型の温度センサーを取り付け、来館者が検温エリアに入り、測定開始センサーの上に手をかざしてセンサーに額を近づけると検温を開始。体温が規定以下の場合は、左手に保持したバーを開いて入館可能の合図をするが、体温が規定以上の場合は、バーが開かずに係員を招集。係員と来館者との接触をなくすことで、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染防止に寄与すると云う。
システムに使われているduAro2(duAroシリーズ)は、人との共存・協働作業が可能なロボットで、ダイレクトティーチングも容易。また、アーム部分への柔らかな表面素材の採用や、動作中に人と接触しても衝突を検知して停止するなど、安全性にも配慮していることから、様々な場面や作業において活用されていると云う。
川崎重工は今後も、保有するロボット技術や多彩な事業部門の技術シナジーを活かし、医療分野をはじめ、各分野での社会課題の解決に取り組んでいくとしている。
※カワサキ重工グループの代表的な製品を「見て、触れて、楽しく学びかつ遊びながら『技術のすばらしさ』と『ものづくりの面白さ』を実感する」ことを目指して、2006年5月17日に開館した神戸海洋博物館内にある川崎重工グループの企業ミュージアム。
[人共存型双腕スカラロボットについて]
川崎重工初の人共存型双腕スカラロボットとして誕生した「duAro」シリーズは、人の両腕の動きをそのまま再現。また、教示を簡単にして実用性を高めたほか、オプションでアーム本体とコントローラを分離することも可能。さらに、衝突検知機能などの安全機能も装備していることから、準備時間や生産量の変動などで自動化が難しいと考えられてきた電気・電子業界、食品業界などの分野で活躍している。
■(川崎重工)双腕スカラロボット:https://robotics.kawasaki.com/ja1/products/robots/dual-arm-scara/