カネカ(本社:東京都港区、社長:田中 稔)が開発した結晶シリコン太陽電池(ヘテロ接合バックコンタクト型)が、トヨタ自動車の低速自動運転EV「e-Palette」のルーフガラス部分に採用された。(坂上 賢治)
採用されたユニットは、ヘテロ接合技術とバックコンタクト技術を組み合せた結晶シリコン太陽電池。ヘテロ接合技術とは物性の異なる半導体材料を接合する技術で、結晶シリコンとアモルファスシリコンの組み合せによる欠陥低減や、電気に変換できる光の波長が異なる材料を組み合せることで変換効率を向上させることができるという。
またバックコンタクト技術は、太陽電池の裏側にのみ電極を作り電気を取り出す技術で、電極を裏面に集約することで、受光面を広くできるため、変換効率を高めつつ、意匠性も向上させることができる。
加えて表面に配線のないバックコンタクト構造によって、自動車用ガラスに近い意匠性を実現させている。これら当社独自技術による高い変換効率(カネカ調べによると、結晶シリコン太陽電池として世界最高の変換効率26.7%を達成)と優れた意匠性が評価されて採用に至ったとしている。
上記の通りで、当社の車載用太陽電池は曲面状に設計することができることから、自動車ボディへの設置が可能となった。なお同社は「今後走行距離延長や二酸化炭素削減に貢献するソリューションとして車載用太陽電池の提案を引き続き強化し、EVやハイブリッドカーへのさらなる採用を目指して取り組んでまいります」と話している。