JXTGエネルギーと三洋化成工業は、米国のENB(エチリデン・ノルボルネン ※1)製造装置の生産能力を40千トン/年から46千トン/年に15%増強することを決定した。
ENBは、自動車の窓枠やラジエターホースなどに使用される合成ゴム(EPDM ※2)の製造に欠かせない成分で、世界的な自動車生産の増加に伴い、ENBの需要も堅調に拡大していると云う。
JXTGエネルギーと三洋化成工業は、現在日本に1系列、米国に2系列の製造拠点を有する世界最大のENBメーカー(※JXTGエネルギー調べ)で、北米・欧州・アジアのタンクターミナルから成る供給ネットワークを通じ、事業を展開。
2007年に日米3系列の生産体制を構築後、ENBの需要拡大に合わせ、既存装置の生産能力増強を進め、2015年には日本の製造装置の生産能力を2千トン/年増強。
今回さらに、米国の製造装置の生産能力を2020年までに6千トン/年増強することを決定した。
これら一連の増強により、2020年の生産能力は、日米合計で68千トン/年となる予定。
また、2020年以降拡大が見込まれるENB需要に対応すべく、さらなる能力増強の検討を進めるとしている。
JXTGエネルギーと三洋化成工業は、生産体制の拡充を図り、ENBの安定供給の継続に努めるとともに、ENB事業の更なる競争力強化を推進していくとしている。
※1:エチリデン・ノルボルネン。EPDMの製造に欠かせない成分。
※2:エチレン・プロピレン・ジエン・メチレンリンケージ。耐熱性、耐候性に優れた合成ゴムとして、自動車用、工業用、建築用などに広く使用されており、自動車用が約80%程度を占める。エチレン、プロピレンにENBなどの第3成分を添加して合成する。
<ENB製造装置の生産能力の推移>
– 1979年4月:
茨城県鹿島郡(現神栖市)において、ENB第1製造装置を新設
(※1997年に20千トン/年の生産体制を構築)
– 2003年5月:
米国テキサス州ヒューストンにおいて、ENB第2製造装置(生産能力20千トン/年)を新設
– 2007年7月:
米国テキサス州ヒューストンにおいて、ENB第3製造装置(生産能力20千トン/年)を新設
– 2015年9月:
日本の生産能力を22千トン/年に増強(+2千トン/年)
– 2018年5月:
米国の生産能力を2020年までに40千トン/年から46千トン/年に増強することを決定
⇒ 2020年までに日米合計68千トン/年の生産体制になる予定
<ENB製造装置の概要>