ジェイテクトは7月28日、トルクの低減と極寒冷地でも高い密封性を発揮するシールを採用したハブユニットの開発を発表した。
近年、自動車業界を始めとしたモノづくり業界を取り巻く環境は、カーボンニュートラル達成に向け、これまで以上にエネルギー低損失化が求められている。そのような中、自動車のホイールを支えるハブユニットの低トルク化は、燃費に直結するため、必要不可欠な技術である。
一方、ハブユニットで発生するトルクの約半分を占めるシール部で使用されているニトリルゴムは、ハブユニットのみならず、様々な分野でシール材料として使用されているが、低摩擦とゴム物性(強度・耐熱性・耐摩耗性など)は背反事項となり、これらを両立させることが課題となっていた。
また、一般的に、ニトリルゴムには、耐油性、耐摩耗性、引き裂き強度に優れる一方で、耐寒性が他のゴムより劣る性質があり、シール用ゴムの使用可能温度範囲を拡大することが課題であった。
■開発品の特長
①低トルク化
今回の開発ゴム材のシールへの適用により、▲10%のシールトルク低減を実現した。
②高い密封性
-40℃以下の極寒環境下でもゴムが弾性を失わないため、シールの密封性を維持でき、北米やロシアなどの極寒冷地においてもハブユニット内部への泥水浸入を防止できる。
今回開発したゴム材は、ハブユニットだけでなく、その他の自動車部品を含む各種産業において活用することができる。ジェイテクトは、日本国内を始め、極寒冷地を含むグローバル市場で、この製品を通じ、低炭素社会の実現に貢献していくとした。