水素エンジン向け高圧水素減圧弁
化石燃料の代わりに水素を燃焼させて走行する「水素エンジン車」に貢献
ジェイテクトは5月7日、カーボンニュートラル達成に向けて注目を集める水素社会への貢献を目指し、化石燃料の代わりに水素をエンジンで燃焼させて走行する水素エンジン車向け「高圧水素減圧弁」の着手した。
より具体的に同社は、「2035年オールジェイテクトによるカーボンニュートラル達成」を実現するべく多くのカーボンニュートラル関連製品の開発に取り組んでいる。そうしたなかで既に量産を果たした燃料電池自動車向けの製品だけに留まらず、水素エンジン分野に於いても製品開発領域を拡大する。
ちなみにジェイテクトでは、2002年より高圧水素事業で貢献。これまで燃料電池自動車用「高圧水素供給バルブ」や「高圧水素減圧弁」を発表している。
ジェイテクトの高圧水素事業の沿革
- ・2002年~ 油圧パワーステアリングで培った流体技術を応用して高圧水素事業に着手
- ・2014年~ 初代「MIRAI」へ高圧水素供給バルブと高圧水素減圧弁を供給開始
- ・2020年~ 新型「MIRAI」向けに第2世代品を量産開始
- ・2023年~ 商用車向けに高流量対応となる第3世代品を開発
もとより上記を踏まえ、ジェイテクトにとっての高圧水素用供給バルブ及び減圧弁に係る技術は、水素燃料電池自動車の高圧水素貯蔵システムで既に搭載・実用化されており、いわば同社の基盤技術と言える。
水素エンジン車の概略 高圧水素供給バルブ及び高圧水素減圧弁の搭載箇所
そこで今回は、上記技術領域での20年以上の技術開発に係るノウハウ及び、2世代に亘る市販車への世界トップレベルの量産実績( 量産品の生産実績5.4万個以上、延べ走行距離地球2万周分相当の7.9億キロメートル )を通じて、水素エンジン車向け高圧水素製品の開発に取り組む。
そんな水素エンジン車向け高圧水素減圧弁は、バルブから供給された高圧水素をエンジンで必要な圧力に調整(減圧)する製品であり、燃料電池自動車向け第2世代高圧水素減圧弁のコア技術を活かせば、エンジンが必要とする圧力の水素を供給することがで可能という。
ジェイテクトでは、「カーボンニュートラル達成の一つの大きな手段である水素社会実現に向けて、モビリティ領域のみならず様々な産業領域で水素エンジンの普及に貢献するため、高圧水素製品の開発を推進してまいります。
また併せて今後もジェイテクトでは、様々なシーン・ニーズに合わせた提案によって、〝ジェイテクトの基本理念〟の最上位に掲げる地球のため、世の中のため、お客様のためを実践してまいります」と話している。