ジェイテクトと日立ソリューションズは、運用技術(OT)と情報技術(IT)を融合したスマートファクトリーの領域での協業に合意し、12月から協創に向けた活動を開始する。
ジェイテクトでは、製造現場におけるIoT(Internet of Things)の活用において、「モノ(Things)」だけではなく、人やサービスまでもつなげていくという「JTEKT IoE(Internet of Everything) Solution」を推進し、スマートファクトリーの実現に向けてさまざまなシステム構築を進めている。
一方、日立ソリューションズでは、IoTやビッグデータ、AIといったデジタル技術を活用し、工場の製造データ連携や生産技能伝承、販売・アフターサービスの付加価値向上など製造業の経営効率向上をめざす「スマートマニュファクチャリングソリューション」を展開してきた。
今回、両社は協創に向けてワーキングを立ち上げ、ジェイテクトの生産ラインのシステム構築で培ってきたOTに関するスキルを持つ技術者と、日立ソリューションズの製造業向けのソリューションを提供してきたシステムエンジニアが、OTの実データをIoT基盤に取り込み、AIなどの技術で新たな付加価値を生み出していくための実証実験を共同で開始する。
また、来年年4月には、既存の両社の製品、ソリューションを組み合わせて相互販売を開始するとともに、2020年度内には、ワーキンググループによる実証実験の結果をもとに、共同開発したソリューションを販売開始することを目指す。
両社は、それぞれのノウハウを融合し、製造業の一層の経営効率向上と価値創出を実現する協創に取り組んでいくとしている。
[背景]
昨今、製造業では、多くの企業が高付加価値化や一層の生産性向上を目的に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進。
AIやIoT技術の活用が注目されるなか、先進的な企業を中心に、センサーや機器からリアルタイムにデータを蓄積する動きが進んでいるが、その一方で、多種多様な生データをどのように活用したらよいかわからないという課題も挙げられている。
両社は、このような課題解決のため、ジェイテクトの製造現場におけるOTのノウハウと、日立ソリューションズのAIなどのデジタル技術をはじめとするITのノウハウを生かし、ジェイテクトの既存ソリューションと日立ソリューションズのデジタル設計、生産計画、生産・在庫管理、原価企画などの既存ソリューションとの融合を図ることで、製造業のDX加速を支援するソリューションの協創に取り組むこととした。
[ジェイテクトと日立ソリューションズの協業に向けた取り組み]
・2019年12月1日、最新のデジタル技術により製造現場における生データの効果的な活用を検証するワーキンググループの立ち上げ。
・2020年4月、両社の技術者による導入支援のもと、両社の既存製品・ソリューションを組み合わせて相互販売を開始予定。
・2020年度内には、ワーキンググループによる実証実験の結果をもとに、ソリューションを共同開発し、販売開始予定。