今後5年間で人材および施設に約150億ポンドの投資へ
ジャガー・ランドローバー(JLR)の日本法人は、「RANGE ROVER」の継続的な製造拡大と次世代の電気自動車(BEV)モデルの開発をサポートするため、英JLRがウエスト・ミッドランズで新たに300人のテクニシャンとテスト・エンジニアを雇用する方針であることを明らかにした(8月16日付・ゲイドン発)。( 坂上 賢治 )
今回募集する300人のうち約100人は、ソリハル工場のテクニシャンとなる予定。彼らは、約1億3,000万ポンドを投じた新しいボディショップで、高度に自動化された精密な製造設備の操作とメンテナンスを担当する。このボディショップにより、今後、「RANGE ROVER」および「RANGE ROVER SPORT」を約30%増産させる予定。
ゲイドンとホイットリーの各施設でも新たな人材を新規雇用
同時に、ソリハル工場では「RANGE ROVER」のBEVモデルのために、約7,000万ポンド(約130億円)を投資。およそ700台のRobotを導入した新たな車体製造システムを導入し、テクニシャンたちはこのシステムの運用に向けたトレーニングを受けることになる。
更にJLRは、ゲイドン・エンジニアリング・センターとホイットリー・パワートレイン施設で働く約200人のテクニシャンとテスト・エンジニアも新規雇用する。彼らは、世界中の3万8,000人を超えるJLRファミリーの一員として、次世代EVのテストと開発を担う。
なお、すべてのテクニシャンとテスト・エンジニアは、「Future Skills Programme(フューチャー・スキルプログラム)」の一環として、BEVの製造とメンテナンスに不可欠なスキルを確実に身につけてスキルアップを図るべく、電動化に関するトレーニングも受けう。
新規雇用は、電動化への変革の一翼を担うための絶好の機会
この一連の取り組みついてインダストリアルオペレーションズ担当エグゼクティブ・ディレクターのバーバラ・ベルクマイヤー氏は、「ソリハルとゲイドンは、JLRのグローバル事業にとってまさに中核拠点です。
今回の新規雇用は、才能溢れる人材が、私たちが目指す電動化への変革の一翼を担うための絶好の機会となります。
私は、最も魅力的なモダンラグジュアリーな車の誇り高きクリエイターであるJLRに、自らのスキルを高め、私たちのファミリーに加わってくれる新しい仲間を迎え入れることを大変楽しみにしています」と語った。
ウエスト・ミッドランズ市長は、新たな雇用機会を歓迎
一方、ウエスト・ミッドランズ市長のアンディ・ストリート氏は、「JLRが新たな従業員を雇用するという素晴らしいニュースは、〝RANGE ROVER〟およびBEVの未来をサポートするだけでなく、私たちの地域の活性化を促進することも意味しています。
ウエスト・ミッドランズは、非常に優秀な労働力に恵まれており、JLRがこの事実を認識し、地域の人々の雇用を拡大し続けていることを大変喜ばしく思います。
こうしたJLRが行う投資によって、今後数か月から数年で、さらに多くの人々のスキルが高められ、地域の繁栄と雇用機会が創出されるでしょう」と述べた。
新たな人材を得て次世代EV3車種のうち、まずは卒倒モデルの製造へ
JLRは今後、産業フットプリント、車両プログラム、自動運転、AI、デジタル技術、人材スキルに5年間で150億ポンドを投資していく構え。
これには、EVを製造するための、ソリハル、ウルヴァーハンプトン、ヘイルウッドの施設の改革も含まれる。
なお次に発売されるEVは、RANGE ROVERのBEVモデルで、今年後半に予約受注を開始する予定。また英国のソリハル工場では、REIMAGINE戦略のもと、新生JAGUARのモダンラグジュアリーなEV3車種のうち、最初の4ドアGTモデルの製造も担うことになるとしている。