JFE商事(JFE)は2月18日、同社のコイルセンターであるJFE Shoji Steel Hai Phong(JSHP)が建設を進めていた第二工場が完成し、2021年2月より稼働を開始したと発表した。
JSHPは南部のホーチミン市にあるJFE Shoji Steel Vietnam(JSSV)に続くベトナムにおける2箇所目のコイルセンターとして、OA・家電を中心とした薄板需要の捕捉を目的として2013年、北部ハイフォン市に設立された。ベトナムは豊富で勤勉な労働力を背景に引き続き高い経済成長が期待されているが、中でもハイフォン市はベトナム最大の港湾を有し、輸出型の外資企業が相次いで進出している。更に近年は、米中貿易摩擦の影響を受けて中国からの生産移管が加速しており、今後一層の成長が見込まれる地域だ。
ハイフォン市における唯一の日系コイルセンターであるJSHPは、これらを背景とした鋼材需要の増加をいち早く捕捉するため、第二工場を建設することで加工能力の増強に踏み切った。また、ベトナム北部は各種モーター製造メーカーの集積が進みつつあることから、今後、電磁鋼板のプレス二次加工への対応も予定しており、更なる加工機能の拡充を図るとのことだ。
JFE商事グループでは、引き続き成長が見込まれるベトナム鋼材市場において、今回のJSHP第二工場増強と共に、南部JSSVとの連携を更に深めながら、南北から包括的に鋼材流通加工サービスが提供できる体制を構築していくと述べている。