ジヤトコは4月1日の9時、富士本社多目的ホールに於いて同社グループの新入社員119名(ジヤトコ株式会社96名、ジヤトコエンジニアリング株式会社16名、ジ ヤトコプラントテック株式会社6名、ジヤトコツール株式会社1名)の入社式を行った。同式典の挨拶で、ジヤトコの中塚晃章CEOは以下のように語っている。(坂上 賢治)
「皆さんお早うございます。本日はジヤトコへの入社、おめでとうございます。 皆さんは平成最後の新入社員であり、同時に今日は、新しい年号が発表されるという記念すべき日です。また晴れの良き日が4月1日の月曜日であるという、とても区切りの良いタイミングでご入社式を迎えました。
さて、私からはこれからふたつのことをお話したいと思います。ひとつ目は「誰かのために」、ふたつ目は 「自分のために」という話です。
まず「誰かのために」の話です。今日から、皆さんは「社会人」と呼ばれます。この「社会人」という言葉、実は結構分かりにくいものです。英語にもありません。それでも、私はこの「社会人」という言葉がとても好きです。
それは昨日までの皆さんと、今日からの皆さんの意識の違いに訴える言葉だからです。この意識の違いとは何か、私は社会人になり、「誰かのために」働くことが、昨日までの皆さんとは決定的に違うことだと思います。
皆さんは、これから働くことで「誰かの役に立つ」、そこに「価値がある」から、皆さんに給料が支払われます。ジヤトコに於いて一人で成り立っている仕事はひとつもありません。必ずチームで、他の誰かと一緒に仕事をすることになります。
皆さんの仕事が誰かのため、 その仕事が、また誰かのためとなり、それらが繫がり、価値を生んで、最終的にトランスミッションという商品やサービスになって、その対価としてお客さまからお金を頂く。
その結果が皆さんの給料に繫がります。これが昨日までの皆さんと、今日からの皆さんとで決定的に違うところです。
しかし皆さんは、一体どうやって役に立てばいいのだろう?と思うかもしれません。もちろん、皆さん一人ひとり仕事の内容は異なり、その数だけ役立ち方があります。しかし、誰かの役に立つための第一歩は同じです。それは「信頼されること」です。「○○さんの言うことだから大丈夫、○○さんは絶対に時間に遅れない、○○さんは分からないことはそう言ってくれる」。
これは仕事ができる、できないということではなく、その人が誠実かどうか、信頼できる人かどうかということで、今日からでも出来ることです。一歩一歩少しずつ積み上げていってください。
信頼されること、それが誰かのためになることに繫がっていきます。これが ひとつ目のポイント「誰かのために」です。
ふたつ目に「自分のために」という話です。「誰かのために」も大事ですが、「自分のために」も、とても大切なことだと思います。皆さんには是非、ジヤトコでやりたいことをやってください。自分がときめくことをやってほしい。自分の夢を実現してください。
そして私は、新入社員のみなさんにはぜひ目をキラキラ輝かせながら、仕事を面白がって楽しんで、やって欲しいと思っています。
ここで一例を挙げると、お片付けのコンサルタントである近藤麻理恵さんは、片づけをする際のポイントとして「心がときめくものを残せ」と言います。英語では「Spark joy」と言います。私は仕事も同じではないかと思うのです。
自分の心がときめくもの、「Spark joy」を感じられるものを、毎日の仕事にしていくことが大事だと思います。先日引退したイチロー選手は記者会見で「メジャーリーグで成功する自信はあったのですか?」と聞かれ、「成功するとかしないではない。自分がやりたいかどうか、行きたいかどうかだ」と答えていました。
自分がやりたいことだからこそ、頑張れるということで、とても良い言葉だと思いました。好きなことを仕事にするというのは理想ではないかという人もいますが、私は少し発想を転換してはどうかと思います。
まずは目の前の仕事を好きになってはどうか。ときめく仕事を探し回るのではなく、目の前の仕事にときめきを見つけてみるのはどうでしょうか。目の前の退屈な仕事も、少し視野を広げてみると、とても面白い世界が実は身近に広がっているものです。
いま自動車業界は大きな変革期にあります。「CASE」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。これは、「Connected」、「Autonomous」、「Sharing」、「Electrification」の略ですね。クルマが繋がり、自動運転になり、カーシェアが進み、電動化が進んでいきます。
この時代は、我々トランスミッションメーカーとしても迅速に対応していく必要があります。皆さんには、この大きな変化を楽しむチャンスがある。そして、是非変化を楽しみながら働いて欲しいと思っています。
良い意味でも悪い意味でも、皆さんは経験がないことを活かしてください。自分の面白いこと、ワクワクすることを、この変化変革の中で楽しんでください。
それは周りの人にいい影響を与えます。これは「誰かのために」の話に繫がってきます。皆さんが自分のために、自分を大切にして自分がワクワクする。自分が「Spark joy」を感じられるような仕事を、目をキラキラ輝かせながら働いていたら、それが会社のため、誰かのためになります。
こういう働き方を皆さんには期待しています。 本日はふたつ、お話しました。まずは今日から他の「誰かのために」役立ってこその社会人です。 そのために今日からできること。信頼される、信用される人になるための一歩を踏み出してください。
そして「自分のために」働いてください。自分がやりたいことをやってください。自分の夢を実現してください。「Spark joy」を感じられるような働き方をして欲しいと思います。今日は本当に入社おめでとうございます。一緒に頑張っていきましょう。ありがとうございました。