ジヤトコは1月16日、欧州の新たな生産会社として「ジヤトコ英国会社(JATCO UK)」をサンダーランド市に設立し、生産準備を開始したことを発表した。
新会社では、日産のBEV用のパワートレイン「3-in-1」を生産し、英国日産自動車製造会社(Nissan Motor Manufacturing(UK))に供給する予定。2026年には、年間34万台の生産能力を持つラインの完成を見込んでいると云う。
なお、「3-in-1」は、自動車の電動化に伴い、ジヤトコと日産が共同開発した次世代電動パワートレイン「X-in-1」(※)のBEV用パワートレイン。3つの部品(モーター、インバーター、減速機)をモジュール化して一体化することで、小型・軽量化とコスト低減を実現している。
日産の次世代電動パワートレイン「X-in-1」(日産の企業サイトから引用)。
<新会社の概要>
– 会社名:ジヤトコ英国会社(JATCO UK Ltd)
– 工場所在地:英国 サンダーランド市 International Advanced Manufacturing Park
– 敷地面積:42,370㎡ / 建屋面積:12,899㎡
– 事業内容:EV用パワートレインの生産
– 投資予定額:48.7百万英国ポンド
– 従業員数(予定):183人
– 生産能力(予定):年間34万台
社長兼最高経営責任者の佐藤朋由氏は、「私たちは日産とのパートナーシップに基づき3-in-1パワートレインの製造を英国で行えることを嬉しく思います。ジヤトコ英国会社はメキシコ、中国、タイに続く4か国目の海外生産拠点です。英国政府、サンダーランド市議会、英国日産自動車製造会社をはじめ、ジヤトコ英国会社の設立に携わったすべての方々のご支援に感謝するとともに、日産の英国におけるEV36Zeroプロジェクトをサポートできることを楽しみにしています」と、述べている。
また、英国のビジネス・通商大臣であるレイノルズ氏は、「サンダーランド市は英国自動車産業の中枢であり、本日の発表は、英国経済および、英国を投資先として選択してもらうという英国政府の計画に対する大きな信任の証です。これにより、自動車産業が活性化するだけでなく、英国北東部で数百人分の雇用が創出されることになります。英国政府は対英投資企業と連携し、英国において世界的に競争力のある電気自動車のサプライチェーンを構築していきます。また、最新の産業戦略を基盤として、英国全土に成長、雇用、そして新たな機会をもたらしていきます」と、述べている。
※日本国内での生産体制は今年度内に整う予定。「X-in-1」には他に、5つの部品(モーター、インバーター、減速機に加え、発電用の発電機と増速機)をモジュール化したe-POWER用の「5-in-1」がある。