ランサムウェア対策を担うヴィーム・ソフトウェア(Veeam Software)は11月29日、ジヤトコ(本社:静岡県富士市、社長:佐藤朋由)が、社内に於ける設計・テスト・販売・財務等を統合するバックアップシステムの再構築に、自社の「Veeam Data Platform(ヴィーム データ プラットフォーム)」のFoundation Edition(ファウンデーション エディション)が採用されたことを明らかにした。
ヴィーム社では、上記システムの導入により、従来のシステムと比較しバックアップに関連する総所有コスト(TCO)が約40%削減できると謳っている。また1年半の運用期間中に6,000ジョブ/12,000回以上のバックアップ処理を、エラーなく完了する安定性と、リストア運用負荷の軽減を実現したと述べている。
導入の理由についてもヴィーム社によると、ジヤトコは自動車の主要部品を手掛けるサプライヤーであるゆえに、設計、テスト、調達、生産、販売、財務などの一連のデータは重要な資産であり、事業継続、法令や規格への遵守、品質管理や製品トレーサビリティのためデータの保全への注力が欠かせない。
ジヤトコのITシステム概要とVeeamを活用したバックアップシステムの構成図
加えて自動車用変速機の専門メーカーとして50年以上の歴史を持つジヤトコは、自動車業界が急速な電動化に進む中、従来のやり方から脱却し市場競争力を高めるためにデジタルを活用した変革も不可欠である説明している。
より具体的には、これまでの専用機器を必要とするアプライアンス型ソリューションのバックアップでは、データ量の増加に応じてアプライアンス単位での増設(買い増し)が必要となり、運用するシステムやサービスの規模のサイジングの自由度が低く、投資計画に影響を与える。
従って今回、数年毎に更新が必要なアプライアンス・ハードウェアのサポートが終了することを機に、バックアップシステムを刷新するプロジェクトを2021年7月にヴィーム社が提案したという。
結果、ヴィーム社によると、従来型のシステムに対して、初期費用、バージョンアップ時の再構築費用、日々の運用費用、ハードウェア保守費用、および今後見込まれるストレージ追加費用などを合算した総所有コスト(TCO)で、約40%の削減を見込めるようになったとしている。
導入先となったジヤトコのデジタルソリューション部部長の土屋 敦氏は、「Veeamの採用にあたり、物理サーバーと仮想サーバーの両方に対応していること、汎用ストレージで構築できること、クラウドにもデータを保存できること、操作性が優れていること、永久増分バックアップによりデータ量を削減できることなどを評価し選定しました。
また自動車業界は急速な電動化など100年に一度の変革期を迎えています。今後は、モーターやインバーター、EV用製品の戦略強化に向けて、デジタル活用を含む更なる変革を推進していきます」と話している。
対してヴィーム・ソフトウェア執行役員社長の古舘正清氏は、「日本の自動車産業を支えるジヤトコのバックアップシステムに、Veeam Data Platformを採用頂き、大変嬉しく思います。
近年は、製造業を含むサプライチェーンを担う企業を標的にしたサイバー攻撃も依然として目立っています。Veeamは今後も、世界最高水準のバックアップおよびランサムウェアリカバリソリューションで、お客様のデータを保護し、事業継続を支える一助となれるよう引き続き支援してまいります」と語っている。