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2018年10月31日【経済・社会】

ジャガー・ランドローバー、スロバキアに新工場を開設

NEXT MOBILITY編集部

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ジャガー・ランドローバーは、10億ポンド(約1,440億円)を投じ、スロバキア共和国ニトラ市に英国自動車メーカーとして初となる、最先端の製造工場を新設した。

 

ビジネスの中核を英国に置く同社は、これまで2014年に中国の奇瑞汽車との合弁工場を、2016年にブラジル工場を開設。2011年からインド、2017年からオーストリアでの製造契約に締結しており、今回のスロバキア工場への投資で、成長戦略をさらに推進。

 

英国外に製造拠点を新設することで、通貨変動から受ける影響を最小限にし、世界を舞台に競争力の高いビジネス展開をするとしている。

ジャガー・ランドローバー・ロゴ

[スロバキアの新設工場について]

 

スロバキア工場では、現在約1,500人の従業員を雇用し、来月11月にはさらに、現地採用で新規850人の雇用を予定。従業員は、同社初の国外トレーニング・アカデミーで、12週間にわたる研修を受ける。

 

30万平方メートルにおよぶ新工場は、スロバキアにおけるアルミニウム製造や専門性の高いエンジニアリングの最前線となり、年間の生産能力は15万台。2018年9月には1台目のランドローバー「DISCOVERY」が完成した。

 

新工場では、従来の運搬システムに比べ30%高速化されたKUKA社のPulse運搬システムをヨーロッパで初めて採用。また、高度な自動塗装工程を採用し、品質を確保しながら、環境への影響を最小限に抑えるとしている。

 

また、将来を見据え、スマートかつコネクティビティに優れた製造技術にも対応できるようフレキシビリティのある設計で、例えば、リアルタイムデータを活用し、作業現場を視覚化して問題解決をするほか、製造工程の効率性や配送、品質の向上を促進する。

 

ジャガー・ランドローバーは、産業全体の44%を占めるとも云われるスロバキアのプレミアム自動車分野で、新工場近接のサプライヤーとネットワークを構築、シートやホイールといった多くのパーツを現地調達し、ランドローバー「DISCOVERY」を製造。スロバキア共和国の自動車産業のサプライチェーンに数千人の雇用をもたらすとしている。

 

[地域コミュニティとの協力]

 

ジャガー・ランドローバーは、過去半年間で約500時間をかけ、ニトラ市や近隣コミュニティでのボランティア・プロジェクトをサポートしてきた。

 

さらに、同社初の試みとなる従業員のための補助金プログラムや、ポンディス財団と連携して将来の地域支援プロジェクトのための基金を開設。

 

また、過去3年間にわたって、スロバキア共和国の自動車産業の次世代を担うエンジニアを育成する新たなプログラムも提供してきたと云う。

 

11月には、遠隔操作でオフロードのテストトラックを走行できる四輪駆動車の設計と組み立てを競う「Land Rover 4×4 in Schools」を開催。スロバキアで3年目を迎える今年は、10校が参加し、同国で初となる「Jaguar Primary School Challenge」の年内開催を決定した。

 

 

スロバキア工場の竣工式で、ジャガー・ランドローバー最高経営責任者(CEO)のラルフ・スペッツ博士は、次のようにコメントしている。

 

「グローバルで展開するビジネスには、グローバルな製造拠点が必要です。その一方で、ジャガー・ランドローバーの核は英国にあることに変わりはありません。世界に拡張していくことは、英国のビジネスをより繁栄させ、より強固なものにすると確信しています。

 

スロバキア共和国二トラ市にオープンした次世代製造工場は、ジャガー・ランドローバーにとってマニュファクチャリング分野の新たな幕開けを意味します。

 

私たちの目標に向けた長期的なグローバリゼーション・プログラムの遂行と4年の歳月を費やして取り組んだ計画が実を結んだといえるでしょう。

 

英国、中国、ブラジル、オーストリアにある、当社の製造工場に新たに加わるこのスロバキア共和国のハイテクノロジーな施設は、当社の英国における研究開発やエンジニアリングを補完し、サポートする存在になると期待しています。」

 

※1ポンド=144円にて換算(2018年10月31日現在)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。