伊藤忠商事9月21日、環境省が公募した「令和3年度バッテリー交換式EV開発及び再エネ活用の組み合わせによるセクターカップリング実証事業」に採択されたことを発表した。
この実証事業には、伊藤忠商事の他、いすゞ自動車、JFEエンジニアリング、エッチ・ケー・エス、ファミリーマートの4社がパートナー企業として共同参画する。
環境省公募の委託事業を通し、バッテリー交換式EVトラック、バッテリーパック、及びバッテリー交換ステーションの開発を行うことで、商用車のEV化を促進し、物流網の脱炭素化を目指す。
■参画各社の役割分担
伊藤忠商事:全体のプロジェクト管理、事業性検討
いすゞ自動車:バッテリー交換式EVトラックの開発
JFEエンジニアリング:バッテリー交換ステーションの開発
エッチ・ケー・エス:バッテリーパックの開発
ファミリーマート:実証フィールドの提供
日本政府は、2050年までにカーボンニュートラルを目標として掲げている。特に全CO2排出量のうち約4割は運輸部門が占めており、物流網の脱炭素化は必要不可欠となる。しかし電動自動車(EV)においては、航続距離や充電時間、充電インフラ、価格といった課題を抱えており、特に稼働時間の長い商用車ではバッテリーの充電に一定の時間を要する事から、充電器の運用に課題があり、商用車のEV化が進んでいない現状がある。
また、政府の目標達成のためには再生可能エネルギーを最大限に利活用することが求められるが、調整力となる蓄電機能が高価であることから、普及が限定的となっている。また地域の防災施設等は非常用電源が不可欠となるが、必要十分な機能を維持しつつコストの低減も求められている。
以上のような背景を踏まえて、このプロジェクトでは、バッテリー交換式トラックを開発する事により商用車のEV化を促進し、更に再生エネルギー由来の電力の活用を目指すことで、持続可能かつ地域貢献型の脱炭素型交通・物流モデルの構築を目指す。
■実施概要
実証期間:令和4年度下旬~令和6年度末 (予定)
走行ルート:三郷中央定温センター(埼玉県三郷市)~ファミリーマート各店舗
車両:バッテリー交換式EVトラック
テーマ:
【物流網の脱炭素化】
・トラックのEV化推進
・バッテリー交換式EVトラックの利便性・コスト競争力の検証
【地域の再生可能エネルギー利活用・BCP対応】
・再生可能エネルギーを活用したバッテリー充電
・災害時の電力供給源としての役割(車両・ステーション)