カナダに於いて電気自動車(EV)向けの軽量・小型・高効率二段変速機を開発しているスタートアップ企業のインモーティブ(Inmotive Inc./本社:カナダ オンタリオ州、CEO:Paul Bottero/ポール・ボッテロ)は10月22日(加・オンタリオ州トロント発)、スズキが自社に投資し、Ingear(インギア)™2速EVトランスミッション開発の更なる加速を支援する意向だと発表した。
そもそもインモーティブとスズキは、去る2022年12月にEV向け二段変速機の共同開発に合意。共同開発契約(JDA)を経て同開発を進めてきているが、今回の新たな出資については、 2022年10月に設立されたスズキ・グローバル・ベンチャーズ(SGV/Suzuki Global Ventures)ファンドを通じて行われた。
そんなSGVとは、新たな事業やビジネスモデルの創出に加え、スタートアップ企業とスズキとの共創活動の加速を目的としている。従って同投資は、先の2023年1月の両社によるJDA締結に続くものだという。
つまりJDAは、将来のスズキ電気自動車の航続距離を延長し、開発・製造コストを削減するべく、インモーティブのインギア2速EVトランスミッションが今後、どのように開発され、磨かれていくかに主眼を置いたもので、現在までのところ、スズキとのJDAは計画通りに進捗しており、インモーティブ側の見解では、全ての成果は達成されているという。
インモーティブのポール・ボッテロ最高経営責任者(CEO)は、「スズキを我々のパートナーとして迎えられたことは、インギアの商品化にとって非常に大きなチャンスとなった。
これらの投資で、スズキが当社の環境に優しい技術へ支援してくれることを嬉しく思う。またこのようなコラボレーションと投資を通じて、手頃な価格のゼロエミッションモビリティの世界的な進化を加速するという私たちのビジョンを実現することができる」と話している。
対してスズキの鈴木俊宏社長は、「この戦略的投資は、インモーティブとの緊密な協力関係を更に深化させ、世界の重要な問題に対処する投資を行うという当社の取り組みと、インモーティブのインギア技術への専念をサポートするものだ。我々はスズキ車へのインギア導入の成功に向けて大きく前進しており、今後もその道を歩み続けることを楽しみにしている、またSGVを通じて更なる重要課題への投資も併せて行っていく」と述べている。
Inmotive概要
会社名 :Inmotive Inc.
本社 :カナダ オンタリオ州トロント市
代表者(CEO) :Paul Bottero
創立 :2010年
事業概要 :電気自動車向け二段変速機「Ingear™」の開発