IHIは8月3日、IHI物流産業システム(以下「ILM」)と、工場構内における貨物を自動搬送するシステムを開発したと発表した。
このシステムは、車両内部に制御装置と操作装置を設置することで、アクセル・ブレーキ・ハンドルを操作し、車両運転を自動化することができる。また、車両の位置や速度を把握するセンサーや障害物を検知するセンサーで、屋外だけではなく屋内を含む事前に設定したルートに沿って、障害物との衝突を未然に防止しながら自動走行する。
製造業における工場では、入出荷・保管・製造の各工程作業場所が離れており、トラックやトレーラーによって貨物のピストン搬送が行われている。しかし、ドライバーの高齢化や不足による労働環境の改善と人材確保が課題となり、自動搬送のニーズが高まっていた。
自動車メーカーを中心に自動運転車両の開発が進められているが、搬送車両の特殊性や車両入れ替えに伴う大型投資が必要となることから、自動運転車両の導入は進んでいない。IHIとILMは、このようなニーズに対応するため、既存の搬送車両にこのシステムを活用することで、構内での自動搬送を可能とする技術を開発した。
アクチュエーター(物理制御機構)
バイワイヤ(電子制御機構)
LiDARセンシング画像