出光興産は、9月18日、近年の需要伸長に対応するため、同社の100%子会社である出光複合工程塑料(広州)有限公司(所在地:中華人民共和国広東省広州市、以下ICG)における、エンジニアリングプラスチックのコンパウンド製品の生産能力を増強することを発表した。
エンジニアリングプラスチックとは、ポリカーボネートやシンジオタクチックポリスチレン等の樹脂のことだ。
ちなみに、シンジオタクチックポリスチレンは、同社が1985年に世界初の合成に成功した樹脂。
軽量で耐熱性・耐熱水性・耐薬品性・電気特性(電気絶縁性・高周波特性)に優れ、主に自動車電装部品やモバイル機器、家電製品の部品等に用いられているものだ。
また、それらを材料にしたコンパウンド製品は、高い混錬技術や調色技術( 合成樹脂原料等を顔料や染料を用い、定められた色調に着色する技術)により、自動車電装部品やOA機器外装部品に使用されているものだ。
同社では、100%子会社のICGを2008年に設立、主に中国・アジア圏向けにエンジニアリングプラスチックのコンパウンド製品を生産している。
今回、ICGの生産能力を強化する背景には、近年、中国でこのエンジニアリングプラスチックが自動車産業をはじめとする各産業で需要が増加していることがある。
実際、同社が製造するエンジニアリングプラスチック製品は、自動車分野において需要が年率約10%伸長している。
そのような市場動向により同社では、今後の顧客への安定的な製品供給を継続すべく、コンパウンド設備の増強を決定。
完工予定は2018年12月。生産の能力は2万t/年から2万5000t/年になる予定だ。
【IOG 会社概要】
会社名 | 出光複合工程塑料(広州)有限公司 |
所在地 | 広東省広州市南沙区万頃沙鎮九涌保税港区加工区南加四縦路3号 |
設立日 | 2008年3月 |
資本金 | 1,700万米ドル |
出資比率 | 出光興産100% |
事業内容 | 合成樹脂コンパウンド |