NVIDIAと現代自動車グループは、11月9日(カリフォルニア州サンタクララおよびソウル現地時間)、同社のヒュンダイ、起亜(キア)、ジェネシスの各モデル全ラインナップについて、2022年から NVIDIA DRIVE™が車載インフォテインメント(IVI)システムに標準装備されると発表した。エントリーレベルからプレミアム車両までの全車両に、永続的に更新可能な、ソフトウェア定義の豊富なAIユーザーエクスペリエンスが備わることになる。
現代自動車グループは、今後のモデルに高性能でエネルギー効率の高いNVIDIA DRIVEプラットフォームを標準装備することで、シームレスで継続的に強化される車載AIユーザーエクスペリエンスを実現するとしている。NVIDIA DRIVEには、ヒュンダイ、起亜、ジェネシスのIVIシステムで、オーディオ、ビデオ、ナビゲーション、接続性や、AIで強化されたコネクテッドカーサービスを実現するハードウェアとソフトウェアスタックが含まれる。
現代自動車グループとNVIDIAとの協業は2015年に始まり、ジェネシスGV80、G80にはNVIDIA DRIVEによる最先端のIVIシステムが搭載されている。また両社は共同で、2021年後半にリリース予定の高度なデジタル コックピットの開発にも取り組んでいる。11日の発表では、現代自動車グループとNVIDIAの関係がさらに強化され、同社の全車両にNVIDIA DRIVEを標準搭載する事によって、将来のアプリや機能をサポートするための能力を統合するという取り組みが示されたことになる。
現代自動車グループのエレクトロニクス技術部門のシニアバイスプレジデントであるポール・チュー(Paul Choo) 氏は、次のように述べている。
「現代自動車グループでは、車両のライフタイム全体を通じて、価値、安全性、機能性、楽しさの向上を目指しています。NVIDIA DRIVEプラットフォームは、スケーラブルでエネルギー効率が高く、次世代のソフトウェア定義による車両をサポートする性能が備わっていることが、すでに実証されています」
また、NVIDIAの自動運転車担当バイスプレジデントであるアリ・カニ(Ali Kani)氏は次のように述べた。
「NVIDIAは10年以上前に、インフォテインメントシステムにコンシューマ エレクトロニクスで培った機能やグラフィックスを豊富に使ったユーザー インターフェイスをもたらしました。そして今、NVIDIAはAIの力によるインフォテインメントシステムの変革に再び乗り出しています。NVIDIAは、車両のライフタイム全体にわたって顧客満足度を向上し、安全性と価値を高めようとする現代自動車グループの取り組みを支援しています」
■コネクテッド カー オペレーティング システムの実現
NVIDIAは、現代自動車グループが今後発売するモデル全体に新しいコネクテッドカーオペレーティングシステム(ccOS)を投入できるよう取り組んでいる。現代自動車グループが社内で開発した新しいccOSは、車両とそのセンサー ネットワーク、および車両外部のコネクテッドカーデータセンターによって生成された大量のデータを統合し、より楽しく便利なエクスペリエンスをドライバーや同乗者に提供する。
近年のAIやアクセラレーテッドコンピューティングの進歩により、次世代の自動車やトラックでは、購入後に新しい機能や能力、強化された安全機能を追加できるようになるとされる。そして将来の車両は、一元化されたソフトウェア定義のコンピューティング アーキテクチャにより、常に最新のAIコックピット機能を搭載することができるようになる。
ccOSには、新たにコネクテッドカーサービスプラットフォーム(ccSP)の統合アーキテクチャも組み込まれている。ccSPは、さまざまなパートナーが車両所有者向けの関連サービスを提供できるようにするオープンプラットフォーム。
現代自動車グループは、今後の車両発表に合わせて、IVIやccOSの機能に関する詳細を随時発表する予定だ。