HORIBAの自動運転システム ADS EVOが、公益財団法人日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)による「JIDAデザインミュージアムセレクションvol.22」に選定されたと、HORIBAが2020年12月21日発表した。
今回の選定は、自動車の研究開発に不可欠のシャシダイナモ台上走行試験を人に代わって行うことで、多様化する排ガス試験の自動化および、現場の作業負担を軽減し、働き方改革にも貢献することが評価されたもの。JIDAデザインミュージアムセレクションへの選定は、2018年(vol.20)のコンパクト水質計 LAQUAtwin(ラクアツイン)に続き、2度目となる。HORIBAでは、今後も使いやすいデザイン、使いたくなるデザインを追求し、お客様の一助となる製品を提供していくとコメントしている。
■選定製品「ADS EVO」について
ADS EVOはシャシダイナモ試験において、人間に代わり試験車両を運転する装置。シャシダイナモ試験とは、自動車メーカーなどで行われる試験手法の一つで、試験車両を実験室で運転し、燃費や排ガス成分などを評価する試験。本製品は、試験車両の特性を学習して人間のドライバーと同じように試験車両を運転することで試験を自動化する。
また、昨今の社会を取り巻く様々な変化に対応する高付加価値な機能も備えている。自動運転や電動化を中心に100年に一度の大変革期と言われる「クルマの変化」においては、従来の主用途であった排気ガスや燃費の評価・認証以外にも幅広い試験に対応する性能を実現した。
そして、少子高齢化やベテラン作業者の引退に伴う人員不足やダイバーシティの推進といった「ヒトの変化」においては、設置に要する時間を従来製品から大幅に短縮するなど、すべてのユーザーに対する使いやすさと省力化を両立した。
■受賞理由
自動車の研究開発に不可欠のシャシダイナモ台上走行試験を人に代わって行うシステム。低圧/低温/高温などの特殊環境や高速/長時間耐久走行など過酷な試験で人的負担を排除。高精度なモード追従性と運転再現性、データの高精度化により、xEVなど様々な車両開発で多様化する排ガス試験の自動化に貢献。移動式収納カートも含めたトータルデザインで搭載時間も削減して総合的に現場の作業負担を軽減し、働き方改革にも貢献。(審査委員/佐野 正氏)