本田技研工業(ホンダ)は1月19日、電気自動車(EV)用バッテリー研究開発会社の「SES Holdings(本社:米国ボストン/以下、SES)」と、リチウム金属二次電池(※1)に関する共同開発契約を、昨年12月に締結したと発表した。
ホンダはまた、SPAC(特別買収目的会社)スキームによるニューヨーク証券取引所(以下、NYSE)への株式上場を予定しているSESが上場する「SES AI Corporation」の株式を、SPACの私募増資引き受け(PIPE)を通じて、約2%取得する予定(※2/※3)だと云う。
今回のSESとの契約締結に際して、ホンダの執行役常務(電動化担当)の青山真二氏は、以下のようコメントしている。
「バッテリーはEVの基幹部品であり、ホンダは大容量で安全、低コストな次世代バッテリーを実現すべく、いくつかの選択肢を並行して検討しています。今回、SESが有する先端技術に注目し、良好な関係を構築するとともに共同研究を通じて高い成果を迅速に生み出していくことを狙いとして、共同開発契約を締結しました。今後も、必要に応じてさまざまな先端技術を持つ企業との関係構築を図りながら、高い競争力をもった魅力的なEVをお客様に提供していきます」。
ホンダは今後、SESと、安全で高い耐久性をもつ大容量のEV用次世代バッテリーの実現に向けて、共同研究を進めていくとしている。
※1:負極にリチウム金属を用いることで、リチウムイオン電池(通常、負極は炭素系材料)に比べ、より高いエネルギー密度が期待できる電池。
※2:ホンダは、2021年10月22日付で、NYSEに上場するSPAC(特別買収目的会社)の「Ivanhoe Capital Acquisition(以下、Ivanhoe)」と、私募増資引き受け(PIPE)による株式引受契約を締結しており、SESとIvanhoeの完全子会社とがSESを存続会社として合併を実行する日に、その実行に先立ってIvanhoe株式を取得する予定。また、SESの完全親会社となるIvanhoeは、この合併の実行に先立ち、会社名を「SES AI Corporation」に変更する(予定)。なお、ホンダの株式取得には、この合併に関するSESおよびIvanhoeの株主の承認等、合併の実行の前提条件が充足されること等の前提条件の充足が必要となる。
※3:上記の持株比率はIvanhoeの一般株主が株式償還権を行使しないことを前提としている。