「SSCV-Safety on Hitachi Digital Solution for Logistics」の概念図
日立製作所、日立物流、日立キャピタルの3社は12月3日、日立物流が社内で導入している、ドライバーの生体・運転データをAIで分析することで、安全運行管理をトータルサポートする「SSCV-Safety(安全運行管理)」(以下、「SSCV-Safety」)の外販に向けて協業を開始したことを発表した。
2021年4月以降に物流業や製造業、卸売業、小売業、バス、タクシーなど幅広い業界における輸送業務向けのSaaS型(*)新サービス「SSCV-Safety on Hitachi Digital Solution for Logistics」として提供を開始する。
(*)SaaS:Software as a Service
このサービスは、日立物流グループの事業用自社車両に既に搭載している「SSCV-Safety」を、日立の物流分野向けLumadaソリューション「Hitachi Digital Solution for Logistics」と組み合わせてサービス化するもの。日立では、テレマティクスサービスのさらなる強化に向けて、より多くの運転データを収集できるドライブレコーダーを新規開発し、サービスに適用する予定だという。また、日立キャピタルにおいては、サービス提供に要するデバイスの調達から設置、保守、入替までの管理と、金流に関わるサービス料金の収受を担う。
日立、日立物流、日立キャピタルの3社は、このサービスを、顧客のニーズに応じて、システムとファイナンスを組み合わせて提供。そして、サービスの導入・普及を通じて、ニューノーマル時代において需要が拡大している輸送業務における運行管理とドライバーの安全性向上、働き方改革への貢献を目指す。
近年、国内の物流業界においては、生産年齢人口の減少とドライバーの高齢化により人手不足が深刻化している。一方で、消費者ニーズの多様化に伴う小口の輸配送の増加や、ニューノーマル時代におけるeコマースのさらなる需要拡大に伴い、輸配送業務量が増加し、ドライバーの安全管理の強化や労働環境の整備が喫緊の課題となっている。このような中、輸送業務を有する企業ではAIやIoTなどの先進のデジタル技術を活用したドライバーのサポートや業務効率化の取り組みが期待されている。
また、将来的には、「SSCV」の「Smart/業務効率化」や「Vehicle/車両管理」の各機能の実装や、日立キャピタルの請求回収機能を活用した従量課金などのオプションサービスを含めたサービス拡充を検討しているという。
これにより、ニューノーマルに対応するロジスティクス分野の課題解決を推進するのみならず、データを活用して事業・業界を越えた協創による新たなサービスやビジネスの創出を促すなど、同分野のデジタルトランスフォーメーションを牽引し、社会価値、環境価値、経済価値の向上に貢献したい考えだ。
■サービスの概要