同社は、この複数事業による事業リスク分散を背景に世界シェア1位を持続させてきた。なお事業上の資本関係は一貫してグループPSAがフォルシアの大株主(株式の46%、議決権ベースの62%)である。上位顧客はフォード・モーター、フォルクスワーゲン、ルノー・日産・三菱アライアンス、グループPSAなど。
そんなフォルシア・エス・エーは、今回クラリオン買収を介してクラリオンが強みとしているコックピットインテリジェンスのプラットフォーム企業として、自身も進化していくことを目指している。
そのためには高度な安全性、直感的なHMI、ドライバーの情報と支援、没入感のあるデジタルサウンドや空間提供技術など乗員に対する快適性能を確保する必要がある。
また個人情報の管理や監視系技術も必要とされるのも必定であり、クラリオンが持つ画像処理、センシング、ドライバーに関わる情報管理技術と国際的な信頼感は、自らの事業拡大を目指すにあたって不可欠の技術であった。併せてクラリオンの欧州顧客の獲得状況などの地理的・産業的なフットプリントも大きな魅力のひとつに映ったようだ。
日本国内で新部門「フォレシアクラリオンエレクトロニクスシステム」創設へと動く
もとより同社はクラリオン買収以前に、Androidソリューション企業のParrot Automotiveを買収。目下これに伴う中国のCoagent Electronicsの支配持分を通じてインフォテイメント事業の足場を構築しつつあった。