そもそもクラリオンは、1940年に電池式家庭用ラジオの製造会社として立ち上げられた。その後、国内経済市場に於いて車載情報機器や車載音響機器メーカーとしての立ち位置を確立。
2006年からは日立製作所の連結子会社として組み込まれ、主に世界の主要自動車メーカーへのOEM製品の供給企業としてセーフティ&インフォメーションシステムや、自動車向けクラウド情報ネットワークサービス等の開発・販売・サービス提供を行ってきた。
これを背景にクラリオンは、2018年3月期の売上高1830億円(およそ14億ユーロ)を達成。7,500人の従業員を雇用し、7つの製造拠点(うち6拠点は低コスト国)と16カ国の事業拠点を有している。
そんなクラリオンの顧客・事業基盤を日立製作所側は、今後フォルシアが活用することで、企業成長のさらなる拡大が見込めるとの判断をした上で、今回の公開買付けを進めた格好だ。
クラリオンはフォルシア傘下となった後、フォルシアの買収後に実施する資本投資を得て、「インフォテインメント」「ヒューマンマシーンインターフェイス」「乗員の着座・空調最適化」等のソフトウェア開発を伸張させ、さらなるコックピットエレクトロニクス分野の競争優位拡大を目指していく。
PSAグループで育まれたフォルシアはインテリア・排気システム企業として世界シェア1位に
対してフォルシア・エス・エーは、1997年にPSA・プジョーシトロエン(現、グループPSA)の部品部門だったECIAと自動車座席サプライヤーのBertrand Faureとの合併により誕生した企業だ。
その後の2001年、内装サプライヤーや排気システムサプライヤーを買収してきた結果、目下フォルシアの主力製品は、シート、ダッシュボード、ドアパネル、排気システムなど複数領域に亘っている。