フォルシアは、過去20取引日の平均と公開買付応募前日の取引(2018年10月25日)10.5%差に対して、事前に確保したブリッジファイナンスを背景に31.2%のプレミアムとなる1株当たり2,500円を提示。これにより総購買価格1,410億円(約11億ユーロ)に相当する資金を投じる。
クラリオンの売却で日立製作所は株式売却益約780億円。事業再編等利益約650億円を獲得する
ちなみにこれは、同社が2022年までに約114億6,000万円(およそ9,000万ユーロ)と見積もっているランレート(売上や需要などの予測データ)を含む2018年3月のEBITDA(税引前利益に特別損益・支払利息・減価償却費を加算した値)の5.7倍の取引に相当する数字となっている。
これに対して日立製作所は、クラリオンの株式資本の63.8%に相当する株式を公開する。なおこの取引は、2019年第1四半期の完了が予定されている。
結果、日立製作所は同保有株式の売却に伴い予定通り進めば、2019年3月期(2018年4月1日~2019年3月31日)の特別利益として、株式売却益約780億円を計上。併せて同期連結決算時の事業再編等利益約650億円も計上することになる。
日立製作所は、獲得した同資金を傘下の日立オートモティブシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区大手町、本店:茨城県ひたちなか市、社長執行役員&CEO:ブリス・コッホ)との協業を介して、自動運転を含むモビリティ事業の強化策に投下していくものと見られる。このため今後も日立グループは、クラリオンとの協力関係は継続していく構えであると日立製作所側では述べている。
1940年に家庭用ラジオ会社で設立したクラリオンは売上高1830億円・7,500人の企業に成長