日立Astemo (以下、日立アステモ)は8月4日、した山梨工場(山梨県南アルプス市)と福島工場(福島県伊達郡桑折町)で製造しているブレーキ部品とサスペンション部品の定期試験(※1)等に於ける不正(※2・3)に係る役員の懲戒処分について、以下の通り発表した。
この問題は、山梨・福島工場で製造するブレーキ構成部品やサスペンション構成部品に関して、取引相手との間で定めた定期試験を実施していないにも関わらず報告書に虚偽のデーターを記載していた他、設定条件を変更して出荷検査を実施する、規格から外れた製品を出荷するなどしていたもの。
日立アステモは、これまでに不正行為があったと確認された製品について、社内検査を実施した結果、安全性および性能に問題がないと判断。現在までに判明している全ての事実を顧客に開示した上でも、安全上の問題が確認されていないことなどから、道路運送車両法等への法令違反はないと主張している。
[定期試験等での不正に係る役員等の処分について]
1.役員の処分
(1)品質を管理する立場にありながら事案の解決に至らなかった責任
・元 エグゼクティブヴァイスプレジデント 門向 裕三:月額報酬10%×2カ月分報酬減額。
・元 コーポレートオフィサー 高橋 秀夫:月額報酬10%×1カ月分報酬減額。
・エグゼクティブヴァイスプレジデント 上桶 亨:月額報酬10%×1カ月分報酬減額。
(2)事業責任者としての管理監督責任
・元 エグゼクティブオフィサー 蒲生 慶一:月額報酬10%×2カ月分報酬減額。
・その他役員15名を、厳重注意処分とする。
2.従業員の処分
・不正行為に関与した従業員を、就業規則に基づき処分する。
日立アステモは、現在、再発防止に向けて注力をしている、事業全体に亘り更に強固なコンプライアンス文化を築き、根付かせる取り組みを、今後も継続し、顧客や社会との信頼回復に努めていくとしている。
※1:製品の工程検査や出荷検査とは別の抜き取り試験で、顧客との間で試験項目を定めているもの。
*2:日立アステモ・ニュースリリース:「一部製品における定期試験未実施などの不適切行為に関するお知らせ」(2021年12月22日付)
*3:日立アステモ・ニュースリリース:「一部製品における不適切行為に関する調査結果および再発防止策等について」(2023年5月19日付)