日立オートモティブシステムズ(以下、日立AMS)は、1月7日、自動車の走行中に道路上の凹凸や小さな落下物などの細かな路面形状を高精度に検知できる車載用ステレオカメラ向けの技術を開発したことを発表。
今後、本技術をサスペンションと連携させ、路面形状に応じて走行の安定性をコントロールできる走行制御システムを開発する予定であることを明らかにした。
自動車が、凹凸などのある路面を走行すると運転の快適性が損なわれるばかりでなく、挙動が不安定になり、自動車の安全性にも影響する可能性があることはよく知られっている。このため、市場等では、路面形状に応じて走行の安定性をコントロールできる走行制御システムの実用化が求められている。
こうした背景の中、日立AMSでは、このような走行制御システム実現に必要とされる、細かな路面形状を高精度に検知できる技術の開発を開発した。
より具体的な内容は、まず同社製の車載用ステレオカメラを使用。
これは、左右2つのカメラを装備した製品で、取得した画像の差異である視差情報を高精度に算出し、前方を走る自動車や歩行者、物体との距離、位置などを高精度にセンシングすることができるのが特長。
だが、路面形状の検知にこのカメラを使うには課題もあった。道路上の凹凸や小さな落下物などの細かな路面形状を検知するには、路面の汚れや影の誤検知を防ぎ、検知するための処理時間を短縮する必要があったのだ。
そこで、同社では、株式会社日立製作所 研究開発グループおよび日立グループの北米地域統括会社である日立アメリカ社のAutomotive Products Research Laboratoryと共同で、これらの課題に対応可能なアプリケーションを開発。
視差を常時、高精度に捉えることができる同社製ステレオカメラの特長を生かし、さらに画像情報を組み合わせて解析することで、短い処理時間で路面の凹凸と汚れや影を区別できるようになり、高精度に細かな路面形状を検知することを可能とした。
日立AMSでは今後、前述の通り、この技術とサスペンションを連携させることで、路面形状に応じて走行の安定性をコントロールできる走行制御システムを開発する予定。
これにより、走行中の安全性や快適性の向上に貢献することを目指す。