日野自動車がキャタラー社(本社:静岡県掛川市)と開発した「軽油によるNOx選択還元反応を用いたディーゼル排気浄化システムの実用化」が、触媒学会(※)が主催する2020年度「触媒学会賞(技術部門)」を受賞した。また、その授賞式が3月16日にオンラインで行われ、開発担当者が参加した。
受賞では、ディーゼル排出ガス低減による大気環境改善と、長年の研究開発による本分野の技術発展への貢献が評価されたと云う。
軽油によるNOx選択還元反応を用いたディーゼル排気浄化システム「DPR-Ⅱ」は、2010年に日野が発売した「新DPR」に新たな触媒を加えることで、NOx低減性能を大幅に進化させた排出ガス後処理システム。ディーゼル車用の燃料である軽油を用いてNOxを低減し、フィルターによってPMを捕集することでNOxとPMを同時に低減できる。また、尿素水を使用しないため、その補給も不要で、タンクがいらないため架装の制約も少ないといった特長を備えていると云う。
「DPR-Ⅱ」は、2017年4月以降に発売された「日野レンジャー」および「日野デュトロ」に搭載されている。
中期経営戦略“Challenge2025”において「安全・環境技術を追求した最適商品の提供」「最高にカスタマイズされたトータルサポート」「新たな領域へのチャレンジ」に取り組む日野は、今後も社会や顧客に対して、継続的に価値を提供していくため、たゆまぬ研鑽と最新の技術でチャレンジを続けていくとしている。
※)触媒学会:触媒に関して著しい研究業績や振興等に貢献した人を表彰している。
※タイトル写真:(左から)日野の鈴木直人氏、平林浩氏、林崎圭一氏、漆原浩氏。
■株式会社キャタラー:https://www.cataler.co.jp/
■一般社団法人触媒学会:https://www.shokubai.org/