日野自動車は9月2日、エンジン認証不正問題を巡って、その再発防止のため、品質マネジメントシステム(QMS)を再構築し、ガバナンス体制を整備することを発表した。
日野は、エンジン認証不正といった問題を二度と起こさないため、開発・法規認証・品質保証領域に於いての体制やプロセスの抜本的な改善を進め、企画・開発をその能力やスケジュールを身の丈に合った、合理的なものに見直すと共に、適正性の根拠となるデータの保存・保管を徹底することで、同社製品への品質の信頼回復を目指す。
そのため、これまで開発機能と認証機能を分離して行ってきたチェック機能を強化するなど、整備を進めてきた関連ルールに加え、外部の目を入れたQMSを構築。このQMSを確実に運用することで、開発・認証プロセスの適正性を一層確保する取り組みを急ぎ進めるとしている。
[QMSの再構築について]
<仕組み面>
外部監査を含めた品質マネジメントシステム(QMS)の再構築。
・企画→設計→実験→認証→量産に関わる一連の業務プロセス管理の仕組み定着。
・開発・法規認証・品質保証の各業務プロセスの確実性向上。
以上を実現するため、業務プロセス再構築とエビデンス管理を徹底すると共に、外部監査を伴う QMS(ISO9001等)を導入し「製品品質を担保する」という基本的な価値観や知識を各部で共有しながら、開発目標値や出荷管理値、諸元値を管理できるようにしていく。
<運用面>
QMSの実効性を担保するガバナンス体制の整備
・出荷品質のみならず開発・設計仕様においても、製品品質担保の観点から品質保証部門の関与を強化。
・規定類や標準類のタイムリーなアップデートや法規要求に沿った設備管理など、開発インフラの整備や適切な維持管理ができていることをチェックする仕組みの強化。
以上を実現するため、法規動向や情報収集体制を強化し社内展開する仕組みを再構築し、開発プロセス運用状況の監査機能を強化していく。