日野自動車は3月25日、小型バスに搭載する小型エンジン「N04C(尿素SCR)」の燃費測定試験に於いて、エンジン性能を偽る不正があったと発表した。
小型エンジン「N04C(尿素 SCR)」については、中型エンジンン「A05C(HC-SCR)」と大型エンジンン「A09C」および「E13C」の性能を偽る不正について公表があった3月4日時点で、実際の燃費性能が諸元値に満たないことが判明しており、不正行為の可能性について調査されていた。
そして今回、日野は、国土交通省の監査による判断を踏まえ、同エンジンの燃費測定試験でエンジン性能を偽る不正行為があったと判断した。
<不正行為の内容>
認証試験の燃費測定において、燃費性能が基準を満たしていない可能性を認識した上で、アイドリング時の燃料消費量について、燃料流量が安定する前の測定開始といった燃費に有利な条件での試験実施や、複数回の測定結果から最も良い値を採用するといった不正行為を確認した。
日野は、今後の対応として、正しい燃費諸元値を確認した上で、使用過程車への必要な対応を行うと共に、当該車種の使用者および税制優遇への対応を行っていくとしている。
なお、同エンジンを搭載する小型バス(※)「日野リエッセⅡ」は、モデル切り替えのため現時点で新規出荷は行われておらず、また、小型トラック「日野デュトロ」および「トヨタ・ダイナ」については、異なる機種の小型エンジンが搭載されており、不利益処分の原因となる不正行為とは関りがないとのこと。
※ 同エンジンはトヨタ自動車株式会社 小型バス「コースター」にも搭載(現時点でモデル切り替えのため新規出荷なし)。
日野は、引き続き、自社によるエンジン認証手続きに関する総点検を実施すると共に、事案の全容解明や真因分析を進める外部有識者で構成される特別調査委員会からの再発防止策の提言等も踏まえ、信頼回復に向けた抜本的な再発防止およびコンプライアンス・ ファーストの企業体質再構築に取り組んでいくとしている。
■(日野自動車)【公表情報一覧】エンジン認証に関する当社の不正行為について:https://www.hino.co.jp/corp/news/2022/20220401-003234.html