日野自動は3月11日、日本市場向け車両用エンジンの認証申請に於ける不正行為を確認したことを受け、同日、外部の法律専門家及び技術知見のある外部有識者から構成される特別調査委員会を設置したことを発表した。
1.特別調査委員会設置の経緯
日野は、同社が製造する日本市場向け車両用エンジン3機種(中型エンジン「A05C(HC-SCR)」、大型エンジン「A09C」および「E13C」)に関して、排出ガスおよび燃費に関する認証申請に於いてエンジン性能を偽る不正行為があったこと、また、これらエンジンの性能に問題があることを確認した。また、小型エンジン「N04C(尿素 SCR)」について、不正の有無は判明していないものの、実際の燃費性能が諸元値に満たないことも確認(以下、エンジン性能改竄不正問題)。
これを受けて、3月11日、これら事案の全容解明および真因分析に向け、利害関係のない外部有識者による特別調査委員会を設置した。
2.特別調査委員会の構成
・委員長 榊原一夫(元大阪高等検察庁検事長、弁護士)
・委員 島本誠(ヤマハ発動機 顧問)
・委員 沖田美恵子(弁護士)
3.特別調査委員会への委嘱事項
・エンジン性能改竄不正問題に関する事案の全容解明および真因分析に加え、組織の在り方や開発プロセスにまで踏み込んだ再発防止策の提言。
日野は今後、特別調査委員会の調査に全面的に協力し、調査報告書の受領次第、速やかな開示をはじめとする対応を行っていくとしている。
<参考> 委員の略歴
・榊原 一夫
<略歴>
1984年4月:検事任官
2015年12月:最高検察庁公判部長
2017年4月:大阪地方検察庁検事正
2018年2月:福岡高等検察庁検事長
2020年1月:大阪高等検察庁検事長
2021年7月:辞職
2021年10月:弁護士登録
2021年11月:アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業 入所
・島本 誠
<略歴>
1983年4月:ヤマハ発動機入社
2007年1月:MC事業本部商品開発統括部エンジン設計部長
2012年1月:Yamaha Motor Asian Center Co., Ltd. 取締役社長
2014年1月:PF車両ユニット PF車両開発統括部長
2014年3月:執行役員
2015年3月:上席執行役員
2017年1月:技術本部長 (兼)PF車両ユニット長
2017年3月:取締役
2018年1月:モビリティ技術本部長
2021年1月:技術アドバイザー
2022年3月:顧問
・沖田 美恵子
<略歴>
2000年4月:検事任官
2007年4月:広島地方検察庁
2009年7月:株式会社産業革新機構 出向
2011年7月:東京地方検察庁特別捜査部
2013年3月:辞職
2013年4月:弁護士登録、島田法律事務所 入所