広汽Honda 開発区新エネルギー車工場(溶接工程)
ホンダの中国現地法人・本田技研工業(中国)投資有限公司は12月23日、現地・四輪生産販売合弁会社の広汽本田汽車有限公司(広汽ホンダ)が広東省広州市に新設した開発区・新エネルギー車工場の稼働を開始したことを明らかにした。
広汽Honda 開発区新エネルギー車工場(外観)
広汽ホンダの開発区新エネルギー車工場は、高効率・スマート・低炭素な生産体制を目指し、最新の生産設備を導入している。特にプレス・溶接工程では、部品搬送の自動化により物流要員のゼロ化を実現。AIによる溶接強度検査をホンダとして初採用した。また組立工程では、工程全体の約30%を自動化することで高効率な生産ラインを実現したという。
広汽Honda 開発区新エネルギー車工場(プレス設備)
広汽Honda 開発区新エネルギー車工場(無人搬送車)
環境面では、工場敷地内に合計22メガワットの太陽光発電システムを設置。再生可能エネルギーを活用することで年間のCO2排出量が約1.3万t削減される(中国政府/生態環境部によるCO2排出に関する基準をもとに計算)。また新開発した低VOC塗料(Volatile Organic Compounds/揮発性有機化合物)の採用や、工場排水に含まれる有害物質を100%処理できる設備の導入により、環境負荷の低減に取り組んでいる。
広汽Honda 開発区新エネルギー車工場(立体倉庫)
広汽Honda 開発区新エネルギー車工場(塗装工程)
なお環境面の配慮では、工場からのVOC排出量は大気汚染への影響を最小限とするべく、広東省の基準限度に対してさらに70%以上の削減を目指す構えだ。
広汽Honda 開発区新エネルギー車工場(組立工程)
広汽Honda 開発区新エネルギー車工場(ベッドライト調整)
最後に生産面では、「2050年にHondaが関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現」というグローバルでの目標を掲げ、中国では2022年に販売を開始したEV「e:N(イーエヌ)」シリーズに加え、2024年度に新たに発売を予定している次世代EV「烨(yè:イエ)」シリーズもあわせ、2027年までに10機種のEV投入を計画、2035年までに中国でのEVの販売比率100%の達成を目指す。
広汽Honda 開発区新エネルギー車工場(排出ガス浄化装置)
広汽本田汽車有限公司 概要
設立: 1998年7月
本社所在地: 中国 広東省広州市
資本金: 5億4,100万USドル
出資比率: 広州汽車集団股份有限公司 50%、本田技研工業株式会社 40%、
本田技研工業(中国)投資有限公司 10%
代表者: 森山 克英(総経理)
従業員数: 約9,500人(2024年12月現在)
生産能力: 黄埔工場(No.1)約24万台/年
増城工場(No.2)約24万台/年
増城工場(No.3)約24万台/年
広汽本田汽車有限公司 開発区新エネルギー車工場 概要
所在地: 中国 広東省広州市
生産能力: 約12万台/年
生産機種: e:NP2、烨シリーズ(予定)
従業員数: 約700人(2024年12月現在)
投資金額: 約34.9億元