アイシンは4月13日、同社およびアイシングループ各社の製品が、5月12日にリース販売を開始する「bZ4X」に採用されたと発表した。
「bZ4X」はTOYOTA bZシリーズ第一弾となるSUV型BEV。トヨタ自動車は、この「bZ4X」からフルラインアップでBEVの展開を推進していく。
■今回採用された新製品
eAxle
モーター、インバーター、トランスアクスルを全て一体化した電動駆動モジュール。BluE 、アイシン、デンソーは、FWD車向けの150kW仕様(フロント)、4WD車向けの80kW仕様(フロント/リア)の3機種を今回、新たに共同開発した。
この製品のユニット組立ライン(安城第一工場)は、150kWフロントユニット、80kWフロントユニット/リアユニットの3機種をフレキシブルに混流生産することができる。
全自動の共通固定プラットフォームと、変動対応エリアの組み合わせで、複数の異なる機種を生産できる「セル生産」を新たに導入した。今回の3機種のみならず、将来的により多様な種類のユニットを生産する場合にも、変動対応エリアの切り替え等により対応できる。
また、新たに導入した組み立て機は、ロボットアームに装着する「ツール」を自動で持ち替えることが特徴。これにより混流生産に対応できるだけでなく、1つのロボットで複数の工程を処理することができるので、生産ラインのコンパクト、低コスト化を実現する。
その他にも、自動搬送システムやIoTによるエネルギーの見える化など、自前の新しい生産技術を複数取り入れており、カーボンニュートラルに向けては、組立ラインにおけるCO2排出量30%削減(従来比)を達成するほか、自動化、ダイバーシティなど様々な課題を解決する革新的な生産ラインだとしている。
ロッカーEA材<アイシン>
ロッカーEA材は、床下電池ケースの側部(左右)にそれぞれ組付けられ、衝突(側突)時に電池を保護する。BEVにおいては、床下全域に電池が搭載されているため、側部への衝突があった場合に乗員を保護するだけでなく、床下の電池を保護する構造が必要になる。
この製品はCAE解析と実機試験によって、最適にエネルギーを吸収できるラダー断面構造を開発した。側突を受けた際に、製品自体が最適に変形することでエネルギーを吸収し、電池に伝わる衝撃を小さくする仕組みになっている。また、材料にアルミを採用することで車両の軽量化に貢献している。
ESUクロス <アイシン軽金属>
この製品は、今回トヨタ自動車が初めて導入したElectricity Supply Unit(ESU)を保持する部材。ESUは充電機能と電力分配機能を集約したユニットで、BEVの電気系統の中核を担う重要部品となる。
従来の鉄フレーム構造から、アルミダイカスト一体構造を採用し、十分な剛性を確保しつつ大幅な軽量化を図っている。また、低圧鋳造技術により、設備のダウンサイジングを行い、低コスト化に貢献している。
カーナビゲーションシステム <アイシン>
クラウド上の地図情報を活用し、交通情報や駐車場の空き情報をリアルタイムで取得するコネクティッドナビ。通常のナビゲーション機能に加え、目的地設定時にバッテリー残量に基づき目的地に到着出来ないと判断された場合、ルート沿いの充電施設をあらかじめ中継地点として提案する「移動支援」機能、航続可能エリアの円形表示、バッテリーが少なくなると周辺の充電施設を提案する充電施設検索など、BEVならではの機能にも対応している。
「移動支援」機能イメージ
航続可能距離円形表示イメージ