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2018年3月15日【自動車部品】

グッドイヤー、サイドウォール内で苔を生息させ空気を浄化するコンセプトタイヤ発表

NEXT MOBILITY編集部

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ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー(グッドイヤー)は、2018年のジュネーブ国際モーターショーで、最新のコンセプトタイヤを発表した。

 

このコンセプトは、よりクリーンで、より便利に、より安全に、より持続性のある都市型モビリティを実現する先見的なソリューションとして、モビリティ社会の未来をもたらすと云う。

 

 

「オキシジェン」と名づけられたこのコンセプトでは、サイドウォール内で苔を生息させるという特徴のユニークな構造を持っている。

このタイヤ構造とトレッドデザインが、路面から水滴や水分を吸収して循環させ、光合成が起こり、空気中に酸素を放出すると云う。

 

世界保健機関(WHO)によると、現在、大気汚染を測定している都市地域に住む人々の80%以上がWHOの制限を超える水準のレベルの大気にさらされている。

 

グッドイヤーEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)のクリス・デラニー社長は、「2050年までに世界の人口の3分の2以上が都市地域に住むことが予想されているため、都市環境における交通ネットワークの需要は大幅に増加するでしょう。よりスマートでより環境に優しいインフラと交通手段は、都市型モビリティと都市開発の最重要課題に取り組む上で極めて重要です。」と述べている。

 

 

グッドイヤーの「オキシジェン」コンセプトは、循環型社会の原則に触発され、材料の廃棄物、排出物、エネルギー損失を減らすことに重点を置き、下記のソリューションを特徴に、未来の都市景観にシームレスに統合されるよう考案されていると云う。

 

<空気の浄化>

「オキシジェン」では、独自のトレッドを通して路面から水分を吸収、また、空気中の二酸化炭素を取り込み、サイドウォールに生息させた苔の光合成を促すことで酸素を放出。

約250万台の車両が保有されるパリと同規模の都市では、これにより年間約3,000トンの酸素を生成し、年間4,000トン以上の二酸化炭素を吸収する。

 

<摩耗タイヤのリサイクル>

「オキシジェン」は、リサイクルタイヤのゴムパウダーを3D印刷した非空気圧構造を採用。軽量で衝撃吸収性のあるこの構造は、高い耐久性、寿命を延ばすためのパンクフリーソリューション、最小限のメンテナンスを実現し、安心できるモビリティの提供する。

また、トレッドから水分を吸収することによりウェットグリップを向上させる開放的なタイヤの構造により、安全性がさらに向上する。

 

<自家発電機能>

「オキシジェン」では、光合成で発生するエネルギーを取り込み、オンボードセンサー、人工知能処理装置、サイドウォールにあるカスタマイズ可能なストリップライトなどの内蔵電子機器に自家発電により電力を供給。

ストリップライトは、車の車線変更やブレーキングの際に、色の変化によって道路利用者や歩行者に注意を促す。

 

<光速通信によるコミュニケーション>

「オキシジェン」では、可視光通信システム(LiFi)を使用して、光速で大容量のモバイル接続を実現。

LiFiを使用することでタイヤはインターネットに接続(IoT)できるようになり、スマートなモビリティ管理システムにとって重要な車両間(V2V)および車両とインフラ間(V2I)でのデータ交換が可能になる。

 

クリス・デラニー社長は、「オキシジェンは、グッドイヤーが過去にジュネーブ国際モーターショーで発表したコンセプトデザインのように、私たちの思考に挑戦し、スマートで、安全で、持続可能な未来のモビリティに関する議論を促進させることを目的としています。空気の清浄化にこの方法で貢献することにより、タイヤは都市住人の生活の質と健康を向上させるのに役立ちます。」とコメントしている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。